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中古マンション購入

マンション購入は現金一括が得?メリットとデメリット【2026】

退職金や相続したお金で、マンションを現金一括で買えそう。でも、それが本当に得なのかは分かりません。金利を払わずに済む一方で、住宅ローン控除は使えなくなります。

マンション購入は現金一括が得?メリットとデメリット【2026】
結論 — この記事の答え

現金一括で浮くお金は、2,000万円を35年・年0.9%で借りた場合と比べて約260万円です(利息332万円+ローン関係の費用48万円−住宅ローン控除約121万円)。「金利を払わない分だけ得」ではありません。 この差額と、手元に2,000万円を残せる安心感を並べて決めます。

この記事でわかること
  • 2千万なら約260万円
  • 控除121万円は使えない
  • 10年だけ借りる手も
読み終える頃には、現金一括とローンの差額が自分の金額でいくらになるのか、手元にいくら残すべきか、そして「10年だけ借りて繰上返済する」という中間案まで、自分で比べられるようになります。
公開: 更新: 読了目安:14分
代表取締役 加川 将嗣
この記事の監修者
代表取締役 加川
宅地建物取引士|大阪市で中古住宅の売買仲介を担当

マンション購入は現金一括が得?結論は「差額は約260万円」

先に結論をお伝えします。現金一括で買えば、ローンに付いてくる金利と手数料は丸ごと要りません。 ただし住宅ローン控除が使えなくなるので、差額は思っているほど大きくなりません。

当社が広告で表示している金利(年0.9%・35年)で2,000万円を借りたとすると、完済までの利息は約332万円です。ここにローン関係の費用が約48万円。一方で、ローンを組めば住宅ローン控除で10年間に約121万円が戻ってきます。差し引きすると、現金一括で浮くのは約260万円。借入額を2,000万円にしたのは、中古マンションを買った世帯の借入金の平均が1,992万円だからです(令和7年度 住宅市場動向調査・三大都市圏の中古マンション)。

なお、この約260万円は35年借りた場合の金額です。 借入期間が短いほど払う利息が小さくなるので、差額も縮みます。同じ条件(2,000万円・年0.9%)で20年なら約130万円、15年なら約96万円です。年齢の上限で35年を組めない方は、ご自身が組める期間で計算してください。

現金一括で押さえる4点
  • ① 金利はゼロ — 2,000万円・35年・年0.9%なら、利息約332万円が出ていかない
  • ② 審査と年齢の壁がない — 年齢や勤務形態で融資が通らない心配が要らない
  • ③ 住宅ローン控除は使えない — 10年で約121万円を取り逃がす
  • ④ 手元資金が減る — 買った後の修繕・医療・生活費への備えが薄くなる

押さえてほしいのは、①と③は打ち消し合う関係にあるということです。片方だけを見ると判断を誤ります。

なお、現金一括でも仲介手数料・登記費用・不動産取得税といった費用はそのままかかります。無くなるのはローンに付いている費用だけです(諸費用の内訳7項目で全体をまとめています)。

天秤にマンション模型と硬貨・契約書を載せたイラスト

住宅ローンを使わずに買う人は珍しくない

国土交通省の令和7年度 住宅市場動向調査では、中古マンションを買った世帯のうち「住宅ローンなし」が24.9%でした(三大都市圏。「住宅ローンあり」49.5%、無回答25.6%)。無回答が4分の1あるので「4人に1人が現金」と言い切れる数字ではありませんが、ローンを使わない買い方が特別ではないことは読み取れます。

近畿圏だけを見ると、中古住宅(一戸建てと集合住宅の合計)を買った世帯で「住宅ローンなし」が33.6%でした(「あり」47.9%、無回答18.5%)。当社が扱う大阪市内でも、現金で決済される方は毎年おられます。

通帳と物件資料を見比べる手元の写真

なぜメリットとデメリットを同時に見る必要があるのか

理由は2つあります。どちらも、片方だけを見て決めた場合に何が起きるかという話です。

金利ゼロは見えるのに、控除で失う分は見えない

「35年で332万円の利息」は、払う金額なのではっきり目に入ります。一方で住宅ローン控除は、ローンを組んだ人の手元に戻ってくるお金です。現金一括を選んだ人の家計には最初から現れないので、受け取れたはずの約121万円を失ったことに気づかないまま終わります。

実際の差は、332万円ではなく約260万円。同じ土俵で比べるには、控除を引いてから並べる必要があります。

硬貨がこぼれる袋と戻ってくる封筒のイラスト

手元資金を使い切ると、買った後のお金に対応できない

マンションは買った後も毎月お金が出ていきます。管理費・修繕積立金・固定資産税は、ローンがあるかどうかに関係なくかかります(維持費の内訳でまとめています)。当社が扱う大阪市内の中古マンションでは、この3つの合計が月2〜4万円になることも珍しくありません(当社の実務での目安。実額は物件ごとに違うので、検討中の物件は管理会社・仲介会社にご確認ください)。

さらに読みにくいのが、修繕積立金の値上げと、入居後に見つかる設備の不具合です。給湯器やエアコンの交換、配管の補修は入居の翌月に来ることもあります。全額を物件に入れてしまうと、こうした数十万円に手持ちで対応できません。

現金一括を選ぶかどうかは、「得か損か」の前に「いくら残すか」の話だと当社では考えています。

現金一括のメリットを具体的に見る(金利・審査・費用)

出ていかないお金は、合計で約380万円

2,000万円を35年・年0.9%で借りた場合に発生して、現金一括なら発生しない費用を並べます。

項目2,000万円を借りた場合根拠
利息(35年・年0.9%)約332万円当社の広告表示金利で試算(月々55,530円)
ローン事務手数料(定率型・借入額の2.2%税込)44万円当社が扱う案件で多い型
抵当権設定登記の登録免許税2万円債権額の0.1%(住宅用家屋の軽減・措法75)
金銭消費貸借契約書の印紙税2万円1千万円超5千万円以下=2万円
合計約380万円—

抵当権設定登記の登録免許税は、住宅ローンで自分の住む家を買う場合は債権額の0.1%に軽減されます(租税特別措置法75条・令和9年3月31日まで・床面積50平方メートル以上などの要件あり)。司法書士報酬も、抵当権設定の分は現金一括では要りません。

保証料は、当社が扱う案件では「事務手数料が高く保証料なし」か「事務手数料は安く保証料を前払い」のどちらかがほとんどで、両方がかかることは多くありません。団体信用生命保険は民間の住宅ローンでは金利に含まれているのが一般的なので、上の利息332万円に入っています。

ここから住宅ローン控除の約121万円を引いた約260万円が、現金一括で手元に残る金額の目安です。

電卓と実印を使う手元の写真

審査・年齢・勤務形態の制約を受けない

ローンを使わなければ、事前審査も本審査もありません。年齢や勤務形態が理由で融資が通らないという事態が起きません。

これは60代以降の方と、個人事業主・会社を経営している方に効きます。住宅ローンには完済時の年齢の上限があり、年齢が上がるほど借入期間が短くなって月々の返済額が上がります(何歳まで買えるかで年代別に整理しています)。現金一括なら、この制約から外れます。

決済が早く、売主から選ばれやすい

売買契約には通常、融資が否決されたら契約を白紙に戻す「ローン特約」を付けます。売主から見ると契約しても最後まで決まらない可能性が残るということで、現金一括ならこの不確実さがありません。同じ価格で購入希望が重なったとき、売主が現金の方を選ぶことは当社の実務でもあります(契約から引き渡しまでの流れで全体をまとめています)。

マンション模型の前で鍵を持つ人物シルエットのイラスト

現金一括のデメリットを具体的に見る(控除・流動性・資金の出所)

住宅ローン控除が使えない——10年で約121万円

住宅ローン控除を受けるには、10年以上にわたり分割して返済する方法になっている一定の借入金等があることが要件です(国税庁 No.1211-3)。借入がなければ対象外で、親族や知人からの借入金もすべて対象になりません。つまり現金一括では使えません。

ただし、ローンを組んでも控除が使えない場合があります。 対象になるのは昭和57年1月1日以後に建築された中古マンション(それ以前は取得前2年以内の耐震基準適合証明書などが必要)で、専有部分の床面積50平方メートル以上が要件です(40〜50平方メートルは合計所得金額1,000万円以下の人のみ)。買う人の側も合計所得金額2,000万円以下で、退職金を受け取った年は超えることがあります。大阪市内には40平方メートル台や昭和56年以前の物件もあるので、該当しなければ差額は260万円ではなく380万円です。

また、大阪市には新婚・子育て世帯が住宅ローンを組んだ場合に利子を補助する制度(最大50万円=年間最大10万円×最長5年間)があります。対象になるのは返済期間10年以上の融資なので、要件を満たす世帯が現金一括を選ぶと、控除と合わせてこの制度も対象外になります(2026年10月時点。予算の範囲内で先着順。ほかに専有部分50平方メートル以上・初めての住宅取得などの要件あり。大阪市の利子補給制度)。

令和4年から令和12年に入居する中古マンション(認定住宅等に該当しないもの)の控除は、年末残高等×0.7%で、控除限度額は年14万円、控除期間は10年です。ただし年14万円に届くのは年末残高が2,000万円ある場合なので、2,000万円を借りても初年度から上限には届きません。試算は次のとおりです。

年年末のローン残高その年の控除額
1年目約1,951万円約13.7万円
3年目約1,852万円約13.0万円
5年目約1,751万円約12.3万円
10年目約1,491万円約10.4万円
10年合計—約121万円

1年目から12か月ぶん返済した場合の試算です。返済の開始が年の途中だと1年目の年末残高が高くなるので、10年合計はおおむね3万円までの範囲で増えます。

控除は「払った税金の範囲内」でしか戻りません 住宅ローン控除は、納めた所得税(足りない分は住民税から一定額まで)を返してもらう仕組みです。計算上の控除額が13.7万円でも、その年に納めた税額がそれより少なければ、戻るのは納めた分までです。控除の額だけを見て「ローンの方が得」と決めないでください。

申告書類に記入する手元の写真

手元資金が減る——使い切らない額を先に決める

現金一括の実質的なデメリットは、ほぼこれ1つです。2,000万円を物件に入れた瞬間に、その2,000万円は動かせなくなります。 マンションを売れば現金に戻せますが、売り出してから着金までは数か月かかるので、急に必要になったお金の代わりにはなりません。

当社では、生活費の6か月分と、購入時の諸費用の全額は手元に残すことをお勧めしています。足りなければ、全額現金ではなく一部だけ借りる形を検討します。固定資産税は購入の翌年から毎年かかりますし(固定資産税の目安)、不動産取得税も忘れた頃に納税通知が来ます(不動産取得税の軽減要件)。

マンション模型と空の貯金箱・修繕道具のイラスト

資金の出所——贈与・相続・売却には税金の手続きが付く

まとまった現金を用意する経路によって、やるべき手続きが変わります。

親や祖父母から資金をもらう場合。 暦年課税では、1年間に受けた贈与の合計が110万円を超えると贈与税の申告と納税が必要です(国税庁 No.4402)。ただし住宅取得のための資金には特例があり、省エネ等住宅で1,000万円まで、それ以外の住宅で500万円まで非課税になります(国税庁 No.4508)。受贈者が18歳以上・その年の合計所得金額が2,000万円以下(床面積40平方メートル以上50平方メートル未満の場合は1,000万円以下)・床面積40〜240平方メートル・昭和57年1月1日以後に建築された家屋などの要件があります。非課税になる場合でも、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに贈与税の申告が必要です。申告しなければ非課税は受けられません。なお一部をローンにする場合、非課税の適用を受けた贈与額は住宅ローン控除の対象になる残高から差し引かれます(国税庁 No.1211-3)。

住宅取得等資金の贈与の非課税は2026年12月31日まで この特例の対象は、令和6年1月1日から令和8年12月31日までの贈与です(国税庁 No.4508・2026年10月時点)。年内に贈与を受けるなら、翌年3月15日までに住宅を取得して居住する(または同日後遅滞なく居住することが確実と見込まれる)ことも要件になります。今年の贈与を考えている方は、物件探しの時期から逆算してください。期限の延長があるかどうかは、毎年12月の税制改正大綱で決まります。

相続したお金で買う場合。 相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月です(国税庁 No.4205)。遺産分割や相続登記が済んでいないと、相続した不動産を売って資金化することもできません(共有名義・相続登記の進め方)。

いま持っている家を売って買う場合。 売却益が出れば譲渡所得として申告が必要です(売却の税金の基本)。自宅の売却なら3,000万円特別控除が使える場合がありますが、入居した年とその前2年・後3年の計6年間にこの特例を使っていると、住宅ローン控除は受けられません(国税庁 No.1211-3 の要件6。3,000万円控除の条件と落とし穴)。売って買い替える方は、はじめから現金一括の方が整理しやすいこともあります。

現金一括購入の手続き・流れはローンとどう違う?

工程の違いを並べます。

工程ローンを使う場合現金一括
事前審査物件を決める前に受ける不要
売買契約ローン特約を付ける特約なし
本審査・金銭消費貸借契約必要(2〜4週間)不要
決済日の決め方融資実行日に合わせる売主と相談して決められる
契約から引き渡しまで1〜2か月2〜4週間に短縮できる場合も

期間は当社の実務での目安です。売主の都合(住み替え先の引き渡し時期など)で決まることも多いので、現金一括でも必ず早く終わるわけではありません。

短くなる代わりに、ローン特約の逃げ道が無い

ローン特約は、融資が否決されたときに契約を白紙解除して手付金を返してもらう仕組みです。現金一括の契約にはこれを付けません。手続きが軽くなる代わりに、契約後に気が変わった場合の逃げ道は手付解除しかありません。しかも手付解除ができるのは相手方が契約の履行に着手する前までで、着手後は手付金を放棄しても解除できず、違約金の問題になります。

当社の実務では、現金一括でも手付金を入れるのが通常です。契約時に支払い、決済日に残代金から差し引きます(手付金の相場と注意点)。「全額現金だから手付は要らない」とはなりません。

銀行の窓口で振込用紙に記入する手元の写真

書類は減るが、「払えること」を示す場面がある

金融機関に出す書類(源泉徴収票・確定申告書・健康保険証・返済予定表など)は一式不要です。代わりに出てくるのが、決済日までに全額を用意できることを売主側に示す場面です。当社の実務では、通帳の写しかネットバンキングの残高画面で足ります。

当日の送金で詰まりやすいのは、ネットバンキングの1日あたりの振込上限です。数千万円を一度に送れない設定のことがあり、当日に気づくと決済が止まります。銀行の窓口で振り込むか、事前に上限を引き上げるかを、決済日の1週間前までに決めてください。定期預金を解約して用意する場合は、着金までの日数も確認が必要です。

全額現金か、一部だけ借りるか

「現金はあるが全額は使いたくない」という方には、一部だけ借りるという選択肢があります。

10年だけ借りて繰上返済する、という中間案

2,000万円を35年・年0.9%で借りて、10年分を返し終えた翌月に残りをまとめて返す形を試算します。それまでに払う利息は約159万円。ここにローン関係の費用が48万円かかり、住宅ローン控除で約121万円が戻るので、差し引きの負担は約86万円です。事務手数料や印紙税などの48万円は、借入期間を10年に縮めても減りません(利息だけなら約38万円ですが、それは費用を入れていない数字です)。

つまり約86万円の費用で、2,000万円を10年間手元に置けることになります。ただし月々の返済55,530円は、年金や給与など別の収入から払う前提です。手元に残した2,000万円を取り崩して返すなら、置いておける額はその分だけ減ります。全額現金で260万円浮かせるのと、86万円払って手元資金を確保するのと、どちらが自分に合うかという比較です。完済するときには抵当権を抹消する費用(登録免許税と司法書士報酬)がかかり、金融機関によっては繰上返済の手数料も必要です。

完済する時期で控除額が変わります 住宅ローン控除の対象になるのは、償還期間が10年以上の借入金です。この10年は借金を負っている期間ではなく、最初の返済等の時から返済等が終了する時までの期間で数えます(国税庁 No.1225 注2)。繰上返済でこの期間が10年を下回ると、償還期間が10年未満となった年分以後は控除を受けられません(国税庁 No.1225 の質疑応答「臨時弁済により償還期間が10年未満となった場合」)。さらに控除は毎年12月31日の残高で計算するので、完済が10年目の12月31日より前だとその年の控除(約10.4万円)を受けられません(負担は約86万円ではなく約95万円になります)。上の試算を10年分を返し終えた翌月の完済にしているのは、この2つの境目を避けるためです。10年きっかりで完済する借り方は、2つの境目の上にあります。実行する前に、必ず税務署と借入先の金融機関の両方に確認してください。変動金利を選ぶ場合は、10年の間に金利が上がる前提でも成り立つかを見てください。

3つの財布とカレンダーのイラスト

決める順番は「残す額」→「借りる額」

先に決めるのは手元に残す額です。生活費6か月分と諸費用、今後5年で見えている出費(教育費・車の買い替え・親の介護など)を足して、その合計を残します。物件価格から「自己資金−残す額」を引いた差が、借りる額になります。

大阪市内の中古マンションでは、リフォームに補助金が使える場合もあります(大阪の補助金)。現金一括で物件を買い、リフォーム費用を手元に残しておく組み方も現実的です。

よくある質問

Q現金一括で買うと、住宅ローン控除は本当に使えませんか。
A

使えません。住宅ローン控除は、10年以上にわたり分割して返済する方法になっている一定の借入金等があることが要件で、借入がなければ対象外です(国税庁 No.1211-3)。親や知人から借りた場合も対象になりません。控除を使いたい場合は、一部だけ金融機関から借りる形になります。

Q現金一括でも仲介手数料や諸費用はかかりますか。
A

かかります。無くなるのはローンに付いた費用(事務手数料・保証料・抵当権設定登記の費用・金銭消費貸借契約書の印紙税)だけです。仲介手数料、売買契約書の印紙税、所有権移転登記の登録免許税と司法書士報酬、不動産取得税、固定資産税の精算金は現金一括でも同じです(仲介手数料の計算方法・諸費用の内訳)。

Q現金一括だと購入までの期間は短くなりますか。
A

短くできる場合があります。事前審査・本審査・金銭消費貸借契約が要らないので、当社の実務では契約から引き渡しまで2〜4週間まで詰められることがあります。ただし決済日は売主の都合でも決まるため、現金一括なら必ず早いというわけではありません。

Qまとまった現金の出どころについて、何か証明が必要ですか。
A

不動産会社や金融機関は、取引の際に本人確認を行います。あわせて決済できることの確認を求められる場面があり、当社の実務では通帳の写しか残高の画面を出せれば足りることがほとんどです。別の話として、親や祖父母から資金の贈与を受けた場合は、金額によって贈与税の申告が必要になります。住宅取得のための資金には非課税の特例(省エネ等住宅1,000万円・それ以外500万円)がありますが、非課税でも翌年3月15日までの申告が条件です。

まとめ——「得か損か」より「いくら残すか」で決める

この記事の要点
  • 現金一括で浮くのは約260万円(2,000万円を35年・年0.9%で借りた場合。利息332万円+ローン関係の費用48万円−住宅ローン控除約121万円)
  • 住宅ローン控除は現金一括では使えない。 10年以上にわたり分割して返済する方法になっている一定の借入金等があることが要件
  • 生活費6か月分と諸費用は手元に残す(当社の目安)。全額を物件に入れると、入居後の修繕や設備交換に対応できない
  • 10年だけ借りて繰上返済すれば、約86万円の負担で2,000万円を10年間手元に置ける(利息約159万円+ローン関係の費用48万円−控除約121万円。10年未満で完済する・完済が10年目の年末より前になると控除が減るので要確認)

差額は、金利ぶんの332万円まるごとではなく260万円前後です。この金額で手元資金を手放すかどうかは、人によって答えが変わります。 当社では、お客様の資金と今後5年の出費を一緒に並べてから、全額現金か一部借入かを決めていただいています。

この記事は制度の一般的な説明です。住宅ローン控除と贈与税の扱いは所轄の税務署、借入額と金利の試算は金融機関、固定資産税の実額は市税事務所にご確認ください。掲載した金額は2026年10月時点の制度と当社の広告表示金利(年0.9%・35年)による試算です。

代表取締役 加川 将嗣
この記事の監修者
代表取締役 加川

株式会社ファンズハウス代表。大阪市を中心に中古マンション・中古戸建ての売買仲介を行っています。専門用語をできるだけ使わず、購入前に知っておきたい情報を実務目線で発信しています。