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中古マンション購入

中古マンション暴落待ちは正解?大阪市の実勢3データ【2026】

「今は高すぎる」「人口も減る」。もう少し待てば中古マンションは下がるのではないか。そう思って、物件を見るのをやめてしまう方がいます。

中古マンション暴落待ちは正解?大阪市の実勢3データ【2026】
結論 — この記事の答え

大阪市の中古マンションの平均成約価格は、3年前の3,476万円から4,523万円へ、1,047万円上がりました(近畿レインズ・2026年4〜6月期)。一方で直近の2026年9月は前年同月比でほぼ横ばい、成約件数は26.8%減。上昇は鈍りはじめていますが、大阪市の数字に暴落と呼べる動きは出ていません。 待つ理由にできるのは、相場の予測ではなく自分の資金計画です。

この記事でわかること
  • 3年で1,047万円上昇
  • 空き家率は16.1%へ低下
  • 待つ3年で家賃250万円
読み終える頃には、「暴落を待つ」という判断をニュースの印象ではなく大阪市の実勢データで検証できるようになります。
公開: 更新: 読了目安:11分
代表取締役 加川 将嗣
この記事の監修者
代表取締役 加川
宅地建物取引士|大阪市で中古住宅の売買仲介を担当

「中古マンション暴落待ち」は正解か?結論から

先に結論をお伝えします。「待てば下がる」という前提は、大阪市の実勢データで見るかぎり、ここ10年以上は裏付けが薄いままです。 大阪市の中古マンション平均成約価格は、2015年10〜12月期から43四半期連続で前年同期を上回り続けています(近畿圏不動産流通機構=近畿レインズ「市況トレンド」2026年4〜6月期)。

ただし、だから今すぐ買うべきだとも申しません。直近の数字には上昇が鈍りはじめた兆しが出ています。2026年9月の大阪市の成約価格は前年同月比マイナス0.0%、成約件数は26.8%減。近畿圏全体では成約㎡単価が2か月連続で下落しました(近畿レインズ「マンスリーレポート」2026年9月度・2026年10月9日公表)。

この記事で「暴落」をどう定義しているか
相場が数年で数十%下がるような局面を指します。四半期ごとに2%前後上下することは平常時にも起きており、本記事ではそれを下落局面とは呼びません。

「暴落待ち」の検索の裏にある3つの不安

当社に購入のご相談をいただく方のお話を伺っていると、この検索の背景はだいたい次の3つに分かれます。

  • バブル崩壊の記憶 — 「過去に大きく下がったのだから、また下がる」
  • 人口減少・空き家のニュース — 「住む人が減るのだから、家は余って安くなる」
  • 高値掴みへの恐れ — 「上がり続けてきたのだから、そろそろ反動が来る」

どれも理由のある不安です。以下では、この3つを大阪市の数字に当てて1つずつ確かめます。

マンション模型と新聞紙・家の鍵・硬貨を並べたイラスト

なぜ「待てば下がる」と思ってしまうのか

バブル崩壊は「急落」ではなく15年続いた下落だった

バブル期の地価は、大阪圏でも商業地が昭和62年から平成元年にかけて前年比30%以上上昇し、昭和63年と平成元年には住宅地も前年比30%以上の上昇となりました(国土交通省「令和元年版 土地白書」第1部第2章)。

そして同じ白書は、崩壊後をこう整理しています。「バブル崩壊に伴い平成3年に地価が下落に転じた後、大都市圏の商業地は平成17年に、住宅地は平成18年に上昇に転じるまで、長期的に地価の下落が続いた」。 平成3年=1991年、平成18年=2006年。住宅地は15年にわたって下がり続けたということです。

ここが「暴落待ち」という言葉とずれる点です。あの局面は1〜2年待てば底で買えるという下げ方ではありませんでした。 待つ戦略が成立するのは下げ止まりを当てられる場合だけで、15年の下落のどこが底なのかは、当時も進行中には分かりませんでした。

古い紙の資料をめくって過去の相場を調べる手元

人口減少・空き家のニュースは「全国の話」として報じられる

2023年の全国の空き家は900万2千戸で過去最多、空き家率13.8%で過去最高を記録しました。空き家数はこの30年で約2倍です(総務省「令和5年住宅・土地統計調査」住宅及び世帯に関する基本集計)。

この数字そのものは事実です。ただし全国の統計は、人口が減り続ける地方の町も、分譲マンションが建ち続ける大阪市内も、まとめて1つの率にしています。自分が買おうとしている市場の数字に置き換えないかぎり、判断材料にはなりません。 大阪市の実数は後述のデータ3で見ます。

日本列島に散る家と大阪に立つ位置ピンのイラスト

データ1 大阪市の価格は3年で1,047万円上がった

まず価格の実勢です。近畿レインズ「市況トレンド」の四半期データで、大阪市の中古マンション平均成約価格を3年ぶんならべます。

期平均成約価格前期比
2023年4〜6月期3,476万円+0.6%
2024年4〜6月期3,853万円−1.4%
2025年4〜6月期4,160万円+0.2%
2025年7〜9月期4,473万円+7.5%
2025年10〜12月期4,370万円−2.3%
2026年1〜3月期4,344万円−0.6%
2026年4〜6月期4,523万円+4.1%

3年で1,047万円(30.1%)の上昇です。2026年4〜6月期の成約㎡単価は74.30万円/㎡で前年同期比プラス6.0%、専有面積は60.86㎡でした。

平均価格の読み方には注意が必要です
平均成約価格には、取引された部屋の広さや築年数の違いが混ざります。この3年で専有面積も広がっているため、「同じ部屋が3割高くなった」という意味ではありません。 面積の影響を除いた㎡単価で見ても上昇していますが、上昇幅は価格の伸びより小さくなります。

ノートパソコンの横でメモに書き込んでいる手元

一方で、前期比では13四半期中4回下がっている

上の表には3年前からの各4〜6月期と直近4期を抜いていますが、43四半期連続で上昇しているのは前年同期比での話です。2023年4〜6月期からの13四半期を前期比で並べると、マイナスは4回あります。いちばん大きい下げが2025年10〜12月期のマイナス2.3%です。

つまり大阪市の中古マンション相場は、右肩上がりの直線ではなく、上下しながら水準を上げてきたというのが実態です。そして四半期で2%前後動くことは、この10年のあいだ平常時にも起きていました。これを暴落の前触れと読むのは無理があります。

データ2 直近の数字は「上昇の鈍化」を示している

ここは正直に書きます。直近の数字は、これまでと同じ勢いではありません。

2026年9月大阪市(中古マンション)近畿圏(中古マンション)
成約件数383件(前年同月比−26.8%)1,450件(同−19.1%)
成約㎡単価73.47万円/㎡(+1.3%)46.24万円/㎡(−4.8%)
成約価格4,385万円(−0.0%)3,122万円(−6.1%)
在庫件数—22,065件(+3.3%)

近畿レインズ「マンスリーレポート」2026年9月度より。大阪市の成約件数は8か月連続で減少し、近畿圏の成約㎡単価は2か月連続で下落しました。大阪市の㎡単価も2026年7月はマイナス5.2%、8月はマイナス7.1%と前年割れが続いたあと、9月にプラス1.3%へ戻しています。

成約価格が前年同月比マイナス0.0%というのは、つまり上昇が止まったということです。暴落ではありませんが、「上がり続けている」とも言えません。

売り家看板が立つ三棟と鍵が置かれた一棟のイラスト

売り出し価格と成約価格の差が開いている

もう1つ、数字の動きがはっきり出ているのが在庫です。近畿圏の2026年4〜6月期を見ると、成約㎡単価は48.25万円/㎡なのに、在庫(売り出し中)の㎡単価は56.53万円/㎡。在庫の単価は前年同期比プラス19.3%で、成約の単価より速く上がっています。

これは売主の希望価格が、実際に売れている水準より上に積み上がっている状態です。相場全体が暴落に向かっているのではなく、高く出した物件が売れ残っているということ。読み替えると、個別の物件では値下げ交渉の余地が出やすい局面です(中古マンションの値引き交渉はいくら?)。

データ3 大阪市の空き家率は、前回調査から下がった

3つめは空き家です。先ほどの全国の数字(空き家率13.8%・過去最高)を、大阪市に置き換えます。

2023年大阪市大阪府全国
空き家率16.1%14.2%13.8%
前回(2018年)の空き家率17.1%15.2%13.6%
賃貸・売却用・二次的住宅を除く空き家7万4,100戸22万6,900戸385万6千戸

総務省「令和5年住宅・土地統計調査」および大阪府総務部統計課「結果の概要(大阪府)」より。読みどころは2つあります。

  • 大阪市の空き家率は全国より高い(16.1%)。 これは事実です。都市部は賃貸住宅の供給が多く、入居の入れ替わりで空く部屋が常にあるためです
  • それでも前回調査の17.1%から1.0ポイント下がっている。 全国が0.2ポイント上昇して過去最高になった同じ5年間に、大阪市は低下しました

さらに中身を見ると、大阪市の空き家29万4,600戸のうち20万4,000戸(69.2%)は「賃貸用の空き家」です。入居者募集中の賃貸の部屋で、分譲マンションの売り物ではありません。「売却用の空き家」は1万3,100戸で、大阪市の総住宅数182万7,900戸に対して0.7%にとどまります。

いわゆる放置された空き家に当たる「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」は7万4,100戸で、総住宅数に対して約4.1%。全国の同じ割合は5.9%ですから、大阪市はむしろ全国より低いという結果です(当社による割除計算)。

集合住宅の共用廊下で一枚だけ開いている玄関扉

ただし区によって差があります
これは市全体の数字です。大阪市内でも区ごとに空き家率には差があり、駅からの距離や建物の管理状態によって個別物件の売れやすさも変わります。市の平均が良好でも、買う物件がそうだとは限りません。

待つことで発生する3つのコスト

「暴落待ち」を判断するときに抜け落ちやすいのが、待つ側の支出です。3年待つと仮定して並べます。

1. 家賃は払い続ける

大阪府の民営借家(非木造)の1か月当たり家賃は6万4,961円、共益費・管理費は4,634円で、合わせて約7万円です(総務省「令和5年住宅・土地統計調査」・大阪府)。3年で約250万円。

家賃は住む対価ですから丸ごと損ではありません。ただし返済と違って元本が残らない支出です。そして大阪府の民営借家(非木造)の家賃は前回調査から2,856円(約4.6%)上がっており、待つあいだに下がる保証もありません。

無地のカレンダーと横一列に並ぶ硬貨のイラスト

2. 金利は上がる方向で動いている

住宅金融支援機構は、2024年3月のマイナス金利政策解除以降、4回の追加利上げで政策金利が約1%まで上昇したとしています。さらに同機構が引用するESPフォーキャスト調査(2026年6月調査・中央値)では、政策金利は2027年6月末までに約1.6%まで上がる予測です。全期間固定の【フラット35】の金利は、2026年10月時点で年3.830%(返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下の最頻金利)です。

価格が下がっても、金利が上がれば月々は増えます。借入2,500万円・35年・元利均等の当社試算で並べます。

金利月返済額年0.9%との差
年0.9%(当社の広告表示金利)約6万9,400円—
年1.5%約7万6,500円月+7,100円
年3.830%(【フラット35】2026年10月)約10万8,200円月+3万8,800円

金利が0.6ポイント上がるだけで、35年の総返済額は約300万円増えます。 待って物件価格が200万円下がっても、金利が0.6ポイント上がれば差は埋まりません。

電卓と書類を指さして返済額を確認する二人の手元

3. 借入期間が短くなる

3年待てば、自分も3年ぶん年齢が上がります。【フラット35】の借入期間は「80歳−申込時年齢」または35年の短いほうです。48歳以降は35年で組めなくなるため、同じ借入額でも月々が上がります(マンション購入、何歳まで買える?)。

待つコストを3年で見積もると
  • 家賃 — 大阪府の民営借家(非木造)+共益費で月約7万円=3年で約250万円
  • 金利 — 0.6ポイントの上昇で、借入2,500万円・35年の総返済額が約300万円増
  • 期間 — 35年で組める年齢の上限(48歳)に近い方は、待つと月々の負担が上がる

なお、物件の在庫そのものは増えています(近畿圏の在庫件数は前年同月比プラス3.3%)。待っても選べる物件が無くなるわけではありません。 ただし同じ部屋は二度と出ません。物件が動きやすい時期は中古マンションが出やすい時期にまとめています。

三枚のカレンダーと矢印の先に置かれたマンション模型と鍵

よくある質問

Q本当に中古マンションは暴落しないのですか。
A

暴落しないとは申しません。現時点のデータに暴落の兆候が出ていないというだけです。大阪市の平均成約価格は2015年10〜12月期から43四半期連続で前年同期を上回っており、2026年9月も前年同月比マイナス0.0%で横ばいでした。一方で近畿圏の成約㎡単価は2か月連続で下落し、在庫は増えています。上昇の鈍化は数字に出ていますが、数十%の急落を示す指標は見当たりません。 将来の相場は当社にも分かりません。

Q暴落を待つより、今の金利で買った方がいいのでしょうか。
A

金利だけを見れば、上がる方向で動いているのは事実です。政策金利は約1%まで上がり、2027年6月末までに約1.6%まで上昇する予測が出ています。ただし「だから今すぐ」とはなりません。頭金と諸費用が用意できていない段階で急ぐと、借入額が増えて金利上昇の影響をかえって大きく受けます。 判断の順番は、相場→金利ではなく、自分の資金計画→金利です。

Qどういう場合なら「待つ」のが合理的ですか。
A

理由が自分の側にある場合です。頭金を貯めている、転職直後で勤続年数が足りない、家族の人数が確定していない、転勤の可能性がある——これらは待つ根拠になります。期限も自分で決められます。一方「相場が下がりそうだから」は、いつまで待つのかを自分で決められない待ち方です。マンション購入か賃貸か?後悔しない判断基準で、自分の条件から考える手順を整理しています。

Q大阪市内でも値下がりしているエリアはありますか。
A

市区町村より細かい単位の成約データは一般には公開されていないため、区ごとの値下がりを公表データで断定することはできません(当社は不動産会社として、レインズで個別物件の成約事例を調べることができます)。参考になるのは近隣エリアの数字で、2026年9月は大阪府南部の成約㎡単価が前年同月比マイナス18.2%、京都市がマイナス14.4%と2桁下落しています。同じ近畿圏でも地域差は大きいとお考えください。気になるマンションがあれば、その建物の成約事例をお調べします。

まとめ——「暴落待ち」ではなく「自分の準備」で決める

この記事の要点
  • 過去の暴落は「数年待てば底」ではなかった — バブル崩壊後、大都市圏の住宅地は1991年から2006年まで15年にわたって下落した(国土交通省「令和元年版 土地白書」)。進行中に底は分からない
  • 大阪市の価格は3年で1,047万円上がった — 3,476万円→4,523万円。ただし前期比では13四半期中4回マイナスで、直線的な上昇ではない
  • 直近は「上昇の鈍化」 — 2026年9月の大阪市は成約価格が前年同月比マイナス0.0%、成約件数マイナス26.8%。近畿圏の㎡単価は2か月連続下落。暴落ではないが、上がり続けているとも言えない
  • 空き家は大阪市では減っている — 空き家率16.1%は全国(13.8%)より高いが、前回の17.1%から低下。売却用の空き家は総住宅数の0.7%
  • 待つことにも値札がある — 3年で家賃約250万円。金利0.6ポイントの上昇で総返済額約300万円増

ここまでのデータは、「買え」でも「待て」でもありません。「相場が下がるのを待つ」という判断の根拠が、今の数字にはほとんど無いということを示しているだけです。

当社が購入のご相談でお伺いするのは、相場の見通しではなく、頭金がいくら用意できているか、何年住む見通しが立っているか、月々いくらまで払えるかです。この3つが揃ったときが、その方にとっての買い時です。 揃っていないなら、相場に関係なく待つべきだと申し上げています。買った後の月々についてはマンション購入の維持費はいくら?もあわせてご覧ください。

この記事は公表データにもとづく一般的な説明です。相場の最新値は近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)の公表資料、空き家の統計は総務省統計局、金利は借入先の金融機関にご確認ください。掲載した数字は2026年10月10日時点で確認できた最新の公表値と、当社の広告表示金利(年0.9%・35年)による試算です。相場・金利・統計はいずれも変動します。

代表取締役 加川 将嗣
この記事の監修者
代表取締役 加川

株式会社ファンズハウス代表。大阪市を中心に中古マンション・中古戸建ての売買仲介を行っています。専門用語をできるだけ使わず、購入前に知っておきたい情報を実務目線で発信しています。