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中古マンション購入

中古マンション 住宅ローン控除の条件と控除額【2026年】

中古マンションでも住宅ローン控除は使えるのか。築年数が古いと対象外と聞いたことがあるし、いくら戻るのかも分かりません。契約前にここだけは確かめたいところです。

中古マンション 住宅ローン控除の条件と控除額【2026年】
結論 — この記事の答え

中古マンションでも住宅ローン控除は使えます。認定住宅等に該当しない中古住宅なら控除期間10年・年末残高等×0.7%・年14万円が上限です(国税庁 No.1211-3)。借入1,800万円・年0.9%・35年のモデルなら10年で最大約108万6,000円。分かれ目は昭和57年1月1日以後に建築されたかと登記簿の床面積が50平方メートル以上かの2点に集まります。

この記事でわかること
  • 控除は10年・最大14万円
  • 昭和57年以後なら対象
  • 床面積50平米以上が条件
読み終える頃には、検討中の物件が住宅ローン控除の対象になりそうかを契約前に自分で確かめられ、10年でいくら戻るかの見当もつくようになります。
公開: 更新: 読了目安:11分
代表取締役 加川 将嗣
この記事の監修者
代表取締役 加川
宅地建物取引士|大阪市で中古住宅の売買仲介を担当

中古マンションでも住宅ローン控除は使える——10年・年14万円が上限

先に結論をお伝えします。中古マンションでも住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は使えます。認定住宅等に該当しない中古住宅(制度上の「その他の住宅」)なら、控除期間10年・年末残高等×0.7%・控除限度額は年14万円です(国税庁 No.1211-3)。

モデルの前提
大阪市内・専有70平方メートル・築15年・価格2,000万円・昭和57年以後の建築/借入1,800万円(35年・年0.9%=当社の広告表示金利)・1月から返済開始/認定住宅等の証明はなし

このモデルなら10年で最大約108万6,000円が戻ります。購入時にかかる税金(印紙税・登録免許税・不動産取得税)がモデルで約11万2,000円(不動産取得税の軽減が使える場合)ですから、その10倍近い額です。

マンションの模型と申告書、そこへ戻っていくお金を表したイラスト

住宅の区分別・控除期間と年の上限(2026年=令和8年に入居する場合)

住宅の区分控除期間各年の控除限度額
その他の住宅(認定等の証明なし=中古マンションの多く)10年14万円
省エネ基準適合住宅13年14万円
ZEH水準省エネ住宅・認定長期優良住宅・認定低炭素住宅13年24.5万円

出典は国税庁 No.1211-3。2026年(令和8年)入居からは、中古でも省エネ性能の証明があれば控除期間が10年から13年に延びます。 ただし証明には建築士等による調査が必要で、既存のマンションで新たに取れるケースは限られます。まずは「その他の住宅」=10年・年14万円を前提に考えるのが現実的です。

電卓を打ちながら住宅ローンの書類を確認する手元

なぜ中古マンションは新築と条件が違うのか

新築は省エネ性能が必須になったが、中古には2,000万円・10年が残った

令和6年以降の入居では、省エネ基準に適合しない新築住宅は原則として住宅ローン減税の対象外になりました(令和6年以降に建築確認を受け、かつ令和6年7月1日以降に建築されたもの/国土交通省「住宅ローン減税Q&A」Q12)。一方で既存住宅には、認定等の証明がなくても借入限度額2,000万円・控除期間10年の枠が残っています(同Q13)。

つまり中古マンションは「性能で足切りされない代わりに、枠が小さい」という扱いです。新築の情報を見て「省エネ基準が要るのか」と心配される方が多いのですが、中古で気にすべきなのは省エネではなく耐震(建築年月日)と床面積のほうです。

マンションの模型のそばに置かれた巻尺と登記事項証明書のイラスト

控除は「払った所得税を返す」制度——だから上限が2つある

住宅ローン控除は、国からお金が支給される制度ではありません。その年に納める所得税から差し引く仕組みです。だから天井が2つあります。

  • 制度上の天井 — 年末残高等×0.7%、かつ年14万円まで(年末残高2,000万円ぶんが上限)
  • 自分の所得税額という天井 — 源泉徴収された所得税がなければ、還付される所得税はありません(国税庁 No.2030)

この2つ目を見落とすと「10年で108万円戻る」と思い込んで資金計画を立ててしまいます。後半で具体的に見ます。

中古マンションで住宅ローン控除を受けるための条件

国税庁 No.1211-3 が挙げる共通要件を、中古マンションで引っかかりやすい順に並べ替えました。

要件内容
建築年月日昭和57年1月1日以後に建築。それ以前なら耐震基準に適合する証明が必要
床面積登記事項証明書の専有部分が50平方メートル以上で、2分の1以上を自分の住まいに使う
所得その年の合計所得金額が2,000万円以下
借入期間10年以上にわたり分割して返済する借入金である
入居時期取得の日から6か月以内に入居し、その年の12月31日まで住み続ける
売主生計を一にする親族や特別な関係のある者からの取得でない/贈与でない
他の特例居住年とその前2年・後3年の計6年間に、3,000万円の特別控除などの譲渡所得の特例を受けていない

40平方メートル台でも対象になる道があります
床面積40平方メートル以上50平方メートル未満(制度上の「特例既存住宅」)は、その年の合計所得金額が1,000万円以下であれば対象になります(国税庁 No.1211-3)。大阪市内には専有40平方メートル台の流通も多いので、単身の方は所得条件とあわせて確認してください。

床面積は「登記事項証明書の専有部分」で判定する

ここは当社でも確認を欠かさない点です。床面積の判定は登記事項証明書に表示された専有部分の面積で行い、階段や廊下などの共用部分は含めません(国税庁 No.1211-3 注1)。

間取り図の上に巻尺を当てて専有面積を確かめる手元

販売図面やパンフレットの面積は壁の中心で測る「壁芯」が一般的で、登記簿の面積より大きく出ます。表示が52平方メートルでも、登記簿では50平方メートルを割ることがあります。 50平方メートル前後の物件は、申し込み前に登記事項証明書の数字を見てください。

控除額はいくら戻る?計算方法とシミュレーション

計算式は1本だけです。その年の12月31日の住宅ローン残高(年末残高等)× 0.7%。100円未満は切り捨てます(国税庁 No.1211-3)。

借入1,800万円・年0.9%・35年(月々49,977円)・1月から返済開始のモデルで10年分を並べます。

年年末残高控除額
1年目約1,756万円122,900円
2年目約1,711万円119,800円
3年目約1,666万円116,600円
4年目約1,621万円113,500円
5年目約1,576万円110,300円
6年目約1,530万円107,100円
7年目約1,483万円103,800円
8年目約1,437万円100,500円
9年目約1,389万円97,200円
10年目約1,342万円93,900円
合計—約108万6,000円

残高が減るにつれて控除額も下がります。11年目以降はゼロです。返済が進むほど戻る額は小さくなるので、控除をあてにした繰上返済の判断は10年目までの表で考えてください。

年を追うごとに低くなっていく硬貨の山を並べたイラスト

年末残高が2,000万円を超えていても、対象は2,000万円まで

借入限度額は2,000万円なので、残高がそれを超える年は一律で年14万円になります。たとえば物件2,800万円・借入2,500万円(年0.9%・35年)なら、7年目まで14万円の上限に当たり、8年目から残高に応じて下がって10年で約138万5,000円。借入を増やしても控除が比例して増えるわけではありません。

補助金や贈与を受けると年末残高等が減ります
国や自治体から補助金等の交付を受けた場合、また住宅取得等資金の贈与の特例を使った場合は、その額を年末残高等から差し引いて控除額を計算します(国税庁 No.1211-3 注1・注2)。大阪市の補助金を併用する方は、中古マンション購入の補助金、大阪でいくら?とあわせて見てください。

所得税額が足りないと満額は戻らない

控除額が所得税額を上回る場合、引ききれなかった分は翌年度の住民税から差し引かれます。 令和8年1月1日から令和12年12月31日までに入居した場合の上限は、所得税の課税総所得金額等×5%(最高9万7,500円)です(大阪市「税額控除額の種類と計算」)。住民税側で別に申告する必要はなく(所得税の確定申告または年末調整の内容に基づいて適用されます)、控除額は市民税5分の4・府民税5分の1に配分されます。

たとえば1年目の控除額が122,900円で所得税額が8万円なら、8万円が所得税から還付され、残り42,900円は上限の範囲で住民税から控除されます。自分の天井を知るには、源泉徴収票の「源泉徴収税額」を見るのが最短です。

源泉徴収票を広げて源泉徴収税額を確かめる手元

中古マンション特有の注意点——築年数・耐震基準の壁

昭和56年12月31日以前の建築は、3つの証明書のどれかが必要

昭和57年1月1日以後に建築されたマンションなら、耐震に関する添付書類は不要で、共通の提出書類にある登記事項証明書だけで足ります(国税庁 No.1211-3 提出書類8)。令和4年度の税制改正までは「築25年以内(非耐火は20年以内)」という要件がありましたが、建築年月日での判定に緩和されました(国土交通省「住宅ローン減税」制度ページ・令和4年度税制改正のポイント)。築30年、築40年でも昭和57年以後の建築なら築年数は問われません。詳しくは中古マンションは築何年まで?寿命と3つの判断基準にまとめています。

マンションの模型の前に置かれた1枚の書類と家の鍵のイラスト

昭和56年12月31日以前の建築の場合は、次のいずれかが必要です。

旧耐震の物件で必要な書類(いずれか1つ)
  • 耐震基準適合証明書 — 建築士等が発行。その家屋の取得の日前2年以内に調査が終了しているものに限る
  • 建設住宅性能評価書の写し — 取得の日前2年以内に評価され、耐震等級1・2・3のいずれかであるもの
  • 既存住宅売買瑕疵担保責任保険の付保証明書 — 取得の日前2年以内に契約を締結したもの

引き渡しの後に気づくと間に合いません
3つとも「取得の日前」が期限です(耐震改修を前提に取得する場合は別のルートがありますが、取得の日までに耐震改修の申請をする必要があります)。旧耐震のマンションで控除を使いたいなら、申し込みの段階で売主側と段取りを決めておく必要があります。登記事項証明書の「原因及びその日付」で建築年月日は確認できます。

マンションの外壁を調査する作業者の手元

親族間売買・贈与・買い替えの特例には要注意

  • 親族間売買 — 生計を一にする親族や特別な関係のある者からの取得は対象外です。親子間・兄弟間の売買を考えている方は、この要件から先に確認してください
  • 親族や知人からの借入金 — 金額や条件にかかわらず対象になりません(国税庁 No.1211-3 注2)。勤務先からの借入でも、無利子または年0.2%未満の利率のものは対象外です
  • 売って買う場合 — 自宅を売って3,000万円の特別控除などを使うと、居住年とその前2年・後3年の計6年間は住宅ローン控除が使えません。どちらが得かは必ず計算してから決めてください(不動産売却の3000万円控除、条件と落とし穴)

申請の流れと必要書類——初年度は確定申告

1年目は確定申告、必要書類は5点

会社員の方でも、最初の年は自分で確定申告をします。 還付を受ける申告は確定申告期間と関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出できます(国税庁 No.2030)。

窓口に確定申告の書類を差し出す人のイラスト
初年度の確定申告に添える書類
  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書(連帯債務があるときは付表も)
  • 金融機関から届く住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
  • 家屋の登記事項証明書(床面積を明らかにする書類)
  • 売買契約書の写し(取得対価の額を明らかにする書類)
  • 土地分の借入についても控除を受けるなら、土地の登記事項証明書・売買契約書の写し

補助金の交付を受けた場合は決定通知書、住宅取得等資金の贈与の特例を使った場合は贈与税の申告書なども加わります。

2年目以降は年末調整でよい

給与所得者なら、2年目以降は確定申告は不要です。税務署から送られてくる「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書兼給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」と、金融機関の年末残高等証明書を勤務先に提出すれば年末調整で処理されます(国税庁 No.1211-3)。

申し込み前にできる一次チェックは3つ

当社が購入のご相談でまず見るのは、次の3点です。

  1. 建築年月日 — 昭和57年1月1日以後かどうか。販売図面の「築年月」で分かります
  2. 登記簿の専有面積 — 50平方メートル以上か。50平方メートル前後なら登記事項証明書を取る
  3. 借入期間 — 10年以上で組むか。短期返済や現金購入の予定なら対象外です

この3つが通れば、あとは所得と入居時期の問題です。契約の流れのどこで何を揃えるかは中古マンション契約の流れ7ステップを参考にしてください。

よくある質問

Q築40年の中古マンションでも住宅ローン控除は使えますか。
A

昭和57年1月1日以後に建築されたものなら使えます。令和4年度の税制改正で「築25年以内」という要件がなくなり、建築年月日での判定に変わりました。築40年前後は昭和50年代から60年代の建築が混在する境目なので、登記事項証明書で建築年月日を確認してください。昭和56年12月31日以前の建築でも、耐震基準適合証明書・建設住宅性能評価書の写し・既存住宅売買瑕疵担保責任保険の付保証明書のいずれかがあれば対象になります。ただしどれも取得の日前2年以内という期限があるため、申し込みの段階で段取りが必要です。

Qリノベーション済みのマンションを買うと控除は変わりますか。
A

変わる場合があります。宅地建物取引業者がリフォームして販売した物件のうち一定の条件を満たすものは「買取再販住宅」という区分になり、省エネ性能などの証明があれば控除期間が13年になります。さらに認定長期優良住宅・認定低炭素住宅に当たる場合は控除限度額が年31.5万円で、中古住宅の年24.5万円より大きくなります。ただしZEH水準・省エネ基準適合は中古住宅と同額で、証明がなく「その他の住宅」に当たる場合は令和6年以降の入居で控除期間10年・年14万円=中古住宅と同じです(国税庁 No.1211-2)。条件は床面積50平方メートル以上、業者が取得してから2年以内の再販、リフォーム費用が売買価額(税込)の20%以上(その額が300万円を超える場合は300万円以上)など細かいので、売主の会社に確認するのが確実です。

Q夫婦で借りると控除額は増えますか。
A

2人がそれぞれローンを組む(ペアローン)か連帯債務にする場合、それぞれが自分の年末残高に対して控除を受けられるため、合計の控除額は増える可能性があります。ただし床面積や所得の要件は各自が満たす必要があり、持分や債務の負担割合に応じた計算になります。連帯債務がある場合は確定申告で付表の提出も必要です。名義と持分の決め方はマンション購入の名義、夫婦の持分とペアローンにまとめています。

Q住宅ローン控除の手続きを忘れていた年の分は、後から申請できますか。
A

還付を受ける申告は、その年の翌年1月1日から5年間提出できます(国税庁 No.2030)。1年目の確定申告を忘れていた場合も、5年以内であればさかのぼって申告できます。2年目以降を年末調整で処理するための書類は税務署から送られてくるので、初年度の申告を済ませておくことが前提になります。

まとめ——条件は「建築年・床面積・借入期間」の3点から確かめる

この記事の要点
  • 中古マンションでも使える。 認定等の証明がない中古住宅は控除期間10年・年末残高等×0.7%・年14万円が上限。2026年(令和8年)入居からは省エネ性能の証明があれば13年に延びる
  • 借入1,800万円・年0.9%・35年のモデルで10年合計 約108万6,000円。 残高が減れば控除額も減り、11年目以降はゼロ
  • 分かれ目は3つ。 昭和57年1月1日以後の建築/登記簿の専有面積50平方メートル以上/借入期間10年以上。旧耐震なら証明書は取得の日前2年以内という期限がある
  • 満額戻るとは限らない。 控除は納めた所得税から差し引く制度で、引ききれない分は住民税から(令和8年〜令和12年入居は最高9万7,500円)。源泉徴収票の源泉徴収税額が自分の天井の目安

当社の購入相談でよくいただくのが「築年数が古いと控除が使えないのでは」というご質問です。実際にはもう築年数の要件はなく、申し込み前に自分で見るのは建築年月日と登記簿の面積です。 この2つは販売図面と登記事項証明書で確かめられます(借入期間は、ローンを10年以上で組むかという申し込み時の選択です)。

この記事は制度の一般的な説明です。住宅ローン控除の適用と確定申告は所轄の税務署(個別の税額計算は税理士)、年末残高証明書や借入条件は金融機関、住民税からの控除は市税事務所にご確認ください。掲載した控除額は2026年10月時点の制度と当社のモデル前提による試算で、実際の金額は年末残高・床面積・所得・住宅の区分によって変わります。

代表取締役 加川 将嗣
この記事の監修者
代表取締役 加川

株式会社ファンズハウス代表。大阪市を中心に中古マンション・中古戸建ての売買仲介を行っています。専門用語をできるだけ使わず、購入前に知っておきたい情報を実務目線で発信しています。