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中古マンション購入

【2026年版】中古マンションは築何年まで?寿命と3つの判断基準

予算に合わせて物件を探していくと、候補はどうしても築20年、30年と古くなっていきます。「この築年数って大丈夫?あと何年住めるの?」——気になる物件が見つかるたびに手が止まってしまう、というご相談を本当によくいただきます。

【2026年版】中古マンションは築何年まで?寿命と3つの判断基準
結論 — この記事の答え

結論、「築何年までならOK」という一律の線引きはありません。よく聞く「耐用年数47年」は税金の計算用の数字で、建物の寿命ではないからです。国の資料には物理的寿命117年と推定する研究もあります。買ってよいかは築年数の数字ではなく、「①耐震 ②管理・修繕 ③お金」の3つの基準で判断します。

この記事でわかること
  • 寿命データの正しい読み方
  • 見極める3つの判断基準
  • 築年数帯別の注意点早見表
読み終える頃には、「築◯年だから」と数字だけで切り捨てるのをやめて、候補物件を耐震・管理・お金の3つの基準で自分で判断できるようになります。
公開: 更新: 読了目安:10分
代表取締役 加川 将嗣
この記事の監修者
代表取締役 加川
宅地建物取引士|大阪市で中古住宅の売買仲介を担当

中古マンションは築何年まで住める?——結論、一律の線引きはない

最初に結論からお答えします。「中古マンションは築◯年までなら買ってよい」「築◯年を過ぎたら住めない」という一律の線は、ありません。よく耳にする「鉄筋コンクリート造の耐用年数は47年」という数字は、税金の計算のために国が定めた年数であって、建物の寿命ではないからです。実際、国の資料には鉄筋コンクリート造建物の物理的な寿命を117年と推定する研究や、鉄筋を守るコンクリートの状態から120年とする研究が紹介されています。

では、何を見て「買ってよい物件かどうか」を判断するのか。私たちが実務でお伝えしているのは、次の3つの基準です。

  • 基準① 耐震: 1981年6月以降の「新耐震基準」で建てられているか
  • 基準② 管理・修繕: 長期修繕計画と修繕積立金が健全で、大規模修繕の履歴があるか
  • 基準③ お金: 住宅ローン・住宅ローン控除・改修費用まで含めて資金計画が成り立つか

この3つを順に確認すれば、「築35年だから何となく不安」という漠然とした心配を、「この物件は大丈夫」「これはやめておく」という自分の判断に変えられます。

中古マンションを耐震・管理・お金の3つの基準で見ることを示した図

なぜ「築◯年まで」と一律に言えないのか

「線引きがない」と言われても、すっきりしないかもしれません。理由は大きく2つあります。

「耐用年数47年」は税金の計算のための数字だから

「マンションの寿命は47年」という説の出どころは、税法上の法定耐用年数です。国の省令で、鉄筋コンクリート造の住宅用建物は47年と定められています。ただしこれは、建物の取得費用を毎年少しずつ経費として配分する(減価償却する)ための会計・税務上の年数であって、「47年で住めなくなる」という意味ではまったくありません。

身近な例で言えば、自家用の普通乗用車の法定耐用年数は6年ですが、7年目に走らなくなるわけではないのと同じ理屈です。「47年」という数字だけを見て候補を切り捨てるのは、判断の物差しを取り違えている、ということになります。

税金の計算上の数字と実際の建物の寿命が別物であることを表した対比図

同じ築年数でも、管理しだいで建物の状態はまるで違うから

もうひとつの理由は、マンションの状態が築年数ではなく維持管理で決まることです。鉄筋コンクリートの劣化は、外壁のひび割れや防水の切れ目から水が入り、鉄筋のさびが進むことで進行します。定期的な大規模修繕(外壁補修・屋上防水など)でこれを抑えているマンションと、修繕が滞っているマンションでは、同じ築30年でも建物の状態は別物です。

不動産の世界に「マンションは管理を買え」という格言があるのはこのためです。同じ築年数で一括りにできない以上、「築◯年まで」という線引きではなく、1件ずつ状態を確かめる判断基準が必要になります。その基準がこの後の3つです。

手入れの行き届いた中古マンションの外観

データで見るマンションの寿命

「線引きはない」の根拠になっているデータを、3つ紹介します。数字の出どころはすべて国の公表資料と大学の研究です。

国の資料にある研究では「物理的寿命は100年超」

国土交通省の研究会資料(平成25年)には、鉄筋コンクリート造建物の寿命に関する研究が整理されています。実際の建物の使用年数と劣化度の関係から物理的寿命を117年と推定した研究、鉄筋を覆うコンクリートの中性化速度から鉄筋コンクリート部材の効用持続年数を120年とした研究などです。つまり構造体そのものは、適切に維持管理されれば100年を超えて使える——というのが工学的な知見です。

税務上の耐用年数・取り壊し実態の平均・物理的寿命の長さの違いを示した図

実際に取り壊された建物の平均は68年

「理論上の寿命」だけでなく、実際に取り壊された建物の統計もあります。早稲田大学の小松幸夫教授による「建物の平均寿命実態調査」(2013年発表)では、鉄筋コンクリート系住宅の平均寿命(現存する建物が半数になる築年数)は68年でした。しかもこの数字には、建物として使えなくなったケースだけでなく、再開発などの事情で取り壊されたケースも含まれています。「寿命が尽きて取り壊される」よりずっと手前の話も混ざった上での68年です。

建て替えに至ったマンションは全体の1%未満

「古くなったら建て替えを迫られるのでは」という不安もよく聞きますが、実績を見るとマンションの建て替えは累計323件・約2.6万戸(2025年3月末時点・国土交通省まとめ)。全国のマンションストックは約713万戸(2024年末時点)ですから、戸数で見ても全体の1%に遠く及びません。建て替えには区分所有者の合意形成と大きな費用負担が必要で、ハードルが高いのが実情です。現実のマンションの一生は「建て替え」ではなく、「修繕を重ねながら長く使う」が主流ということです。

これらのデータが示すのは「マンションは放っておいても100年もつ」ではなく、「適切に維持管理されれば長く使える」です。裏を返せば、管理・修繕が機能していないマンションはデータどおりの寿命を期待できません。だからこそ、次章の判断基準②(管理・修繕)が効いてきます。

建て替えに至るマンションが全体のごく一部であることを表した図

買ってよい築年数を見極める3つの判断基準

ここからが本題です。候補物件を前にしたら、この3つの基準を順に確認してください。

基準① 耐震——1981年6月以降の「新耐震基準」か

最初に確認すべきは耐震性です。日本の耐震基準は1981年(昭和56年)6月1日に大きく改正され、それ以降に建築確認を受けた建物は「新耐震基準」、それより前は「旧耐震基準」と呼ばれます。新耐震基準は、震度6強〜7程度の大地震でも倒壊・崩壊しないことを目標とした設計基準です。

注意したいのは、境目が竣工年(完成年)ではなく建築確認日であることです。マンションは着工から完成まで1〜2年かかるため、1982〜83年頃に完成した物件には旧耐震のものが混ざっています。竣工年だけで判断せず、建築確認日ベースで新耐震かどうかを仲介会社に確認してください。

旧耐震だから即NG、というわけでもありません。耐震診断を受けて耐震改修工事を済ませているマンションなら選択肢になり得ます。ただしその場合は、診断結果と改修内容の資料を必ず確認することが前提です。

建築確認日は、重要事項説明書や建築確認済証・台帳記載事項証明書で確認できます。販売図面の「築年月」は竣工ベースの表記なので、境目前後の物件(1981〜83年頃の竣工)は特に、確認日ベースの裏取りを仲介会社に依頼してください。

1981年6月の新耐震基準の境目を示した図

基準② 管理・修繕——「マンションは管理を買え」

2つ目は、寿命そのものを左右する管理・修繕の状態です。見るポイントは次の4つです。

  • 長期修繕計画があるか: 将来の修繕工事と費用の計画が作られ、定期的に見直されているか
  • 修繕積立金の水準: 国土交通省のガイドライン(令和6年6月改定)では、たとえば20階未満・延べ床面積5,000㎡未満のマンションで月335円/㎡が目安(計画期間全体の平均額)とされています。70㎡なら月2万3千円ほど。これより極端に安い場合、将来の値上げや一時金徴収のリスクを織り込む必要があります
  • 大規模修繕の履歴: 外壁補修・屋上防水などの大規模修繕が実施されてきたか。一般におおむね12〜15年周期で行われることが多く、築20年超で履歴が一度もない場合は要注意です
  • 管理費・修繕積立金の滞納状況: 滞納が多いマンションは管理組合の財政が傷んでおり、必要な修繕が打てなくなっていきます

これらは重要事項説明のほか、管理会社が発行する「重要事項調査報告書」で確認できます。築年数が古い物件ほど、この基準②の確認が値打ちを持ちます。逆に言えば、管理が良ければ築年数はかなりの程度カバーできる、というのが実務の感覚です。

管理の行き届いたマンションの明るいエントランスホール

基準③ お金——ローン・控除・改修費まで含めて成り立つか

3つ目はお金です。建物として住めるかどうかとは別に、資金計画が成り立つかを確認します。

  • 住宅ローン: 築年数が古くても、住宅ローンを組めるケースは普通にあります。ただし金融機関によっては、担保評価や借入期間の設定に築年数が影響することがあります。気になる物件が出てきたら、早めに事前審査で確認するのが確実です
  • 住宅ローン控除: 2022年の制度改正で中古住宅の築年数要件は廃止され、現在は「1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された住宅」であれば新耐震基準適合とみなされて控除の対象になります。それより前の建物でも、耐震基準適合証明書などがあれば対象になり得ます
  • 改修費用: 築20年を超える物件は、キッチン・浴室など水回りの更新費用を物件価格に上乗せして資金計画を立てるのが現実的です。「物件価格が安い」だけで判断せず、購入時の諸費用(仲介手数料の計算方法は仲介手数料の記事で解説しています)や、購入後に毎年かかる固定資産税まで含めた総額で比べてください

住宅ローン控除の適用には、床面積や所得などこの記事で触れていない要件もあります。ご自身のケースで使えるかどうかは、事前審査の段階で金融機関に、確定申告の要件は税務署に確認してください。

住宅ローン・控除・改修費用の3つを合わせて資金計画を考えることを示した図

築年数帯別のメリットと注意点(早見表)

3つの基準を踏まえた上で、築年数帯ごとの傾向を早見表にまとめます。物件探しの「あたり」をつける材料にしてください。

築年数帯価格の傾向注意点向いている人
築10年未満新築に近い水準価格に割高感が残りやすい。修繕履歴がまだなく、管理の実力を判断する材料が少ない設備の新しさを重視し、予算に余裕がある人
築10〜20年少しずつこなれてくる1回目の大規模修繕が実施済みかを確認。室内設備の更新時期が近づく新しさと価格のバランスを取りたい人
築20〜30年こなれてくる水回りの更新を前提に資金計画を。修繕履歴と積立金の水準で管理の実力を見るリフォーム込みで費用対効果を求める人
築30〜40年大きくこなれる新耐震かを建築確認日で必ず確認(1981年が境目)。管理の良し悪しの差が大きく開く帯立地と広さを予算内で最大化したい人
築40年超最もこなれる旧耐震の可能性が高く、耐震診断・改修の有無を確認。ローン・控除の条件と管理組合の運営状況も立地最優先で、フルリノベーション前提の人
築年数帯ごとに並んだマンションと狙い目の帯を示した図

「狙い目はどこか」とよく聞かれますが、私たちの答えは「大規模修繕の履歴で管理の実力を確認でき、価格もこなれてくる帯」です。目安としては築20〜35年前後。この帯は同じマンション内でも売り出しが出やすく比較がしやすい上、管理の良いマンションを選べれば費用対効果が高くなります。価格交渉の余地も含めて検討したい方は、値引き交渉の記事もあわせてどうぞ。

表の「価格の傾向」は一般的な傾向です。大阪市内でも、駅距離・エリア・管理状態によって同じ築年数帯で価格は大きく変わります。個別の物件の値ごろ感は、周辺の成約事例と比べて判断してください。

内覧でマンションの共用部を確認する夫婦

よくある質問

Q築50年のマンションは、あと何年住めますか?
A

「あと◯年」と断定できる数字はありません。構造体の物理的寿命を100年超とする研究を踏まえれば、建物として使い続けられる可能性は十分ありますが、その前提は維持管理です。長期修繕計画・修繕積立金・大規模修繕の履歴を確認し、管理が機能しているかで判断してください。また、2026年時点で築50年(1976年頃の建築)は旧耐震の可能性が高い年代です。耐震診断や耐震改修の有無は必ず確認してください。

Q築40年の中古マンションでも住宅ローンは組めますか?
A

組めるケースは普通にあります。金融機関は築年数だけでなく、物件の担保評価・管理状態・借りる方の収入などを総合的に審査するためです。ただし、金融機関によっては借入期間や融資額に築年数が影響することがあるので、候補が絞れてきたら早めに事前審査を受けて確認するのが確実です。なお2026年時点で築40年(1986年頃の建築)なら新耐震世代で、住宅ローン控除の「1982年1月1日以降建築」の条件も満たします。

Qマンションは最後どうなるのですか?建て替えは現実的ですか?
A

建て替えの実績は累計323件(2025年3月末時点)と、約713万戸のストックに対してごくわずかです。所有者の合意形成と費用負担のハードルが高いため、現実の主流は「修繕を重ねながら長く使う」です。国も建て替えや敷地売却を進めやすくする法制度の整備を続けていますが、買う側にとっての実質的な備えは、「最後」を予測することよりも、管理が機能しているマンションを選ぶことだと考えてください。管理が良いマンションは、修繕にも、いざという時の合意形成にも動ける組織を持っています。

Q築30年の中古マンションを買って後悔しませんか?
A

後悔につながりやすいのは、価格だけで選んで管理状態を見ない買い方です。築30年は価格がこなれ、修繕履歴という「管理の通信簿」を確認できる帯なので、この記事の3つの基準を満たす物件であれば合理的な選択肢です。内覧の際は室内だけでなく、エントランスや掲示板、ゴミ置き場、自転車置き場といった共用部も見てください。共用部が整っているマンションは、管理が機能しているサインです。

まとめ——築年数の数字ではなく「耐震・管理・お金」で判断する

この記事の要点
  • 「築何年までならOK」という一律の線はない。「耐用年数47年」は税金の計算用の数字で、建物の寿命ではない
  • 国の資料には物理的寿命117年・効用持続年数120年の研究。実際に取り壊された建物の平均も68年で、建て替えに至った例は全体の1%未満
  • 判断基準は3つ。①新耐震か(1981年6月以降の建築確認)②管理・修繕は健全か ③ローン・控除・改修費込みで資金計画が成り立つか
  • 迷ったら「マンションは管理を買え」。修繕履歴と積立金の水準は、築年数の数字より雄弁

築年数は、物件を絞り込む入口の数字としては便利ですが、買ってよいかどうかの答えは持っていません。答えを持っているのは、その物件の耐震・管理・お金の中身です。3つの基準のうち、耐震とお金は書類と審査で確認できます。残る「管理」を見極める場所が内覧です。

LINEでお配りしている「物件の選び方・内覧チェックリスト」は、この記事の判断基準を、内覧当日にそのまま確認できる項目に落とし込んだものです。共用部のどこを見れば管理状態が分かるかもまとめてありますので、候補物件を見に行く前に手元に置いておいてください。

この記事は制度・データの一般的な説明です。個別物件の耐震性や管理状態は重要事項説明書・管理組合の資料で、住宅ローン控除の適用条件は税務署や金融機関にご確認ください。

代表取締役 加川 将嗣
この記事の監修者
代表取締役 加川

株式会社ファンズハウス代表。大阪市を中心に中古マンション・中古戸建ての売買仲介を行っています。専門用語をできるだけ使わず、購入前に知っておきたい情報を実務目線で発信しています。