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中古マンション購入

中古マンションの不動産取得税はいくら?2026年の軽減3要件

引き渡しが終わって、荷ほどきも一段落した頃。「大阪府○○府税事務所」という封筒が届いて、開けたら不動産取得税の納税通知書だった——。諸費用の一覧にその名前があったのは覚えているけれど、いくらなのか、いつ来るのか、そもそも払うべきものなのかが分からないまま契約を終えてしまった。そんな状態のまま引き渡しを迎える方は、実は少なくありません。

中古マンションの不動産取得税はいくら?2026年の軽減3要件
結論 — この記事の答え

中古マンションの不動産取得税は、軽減の要件を満たしていれば土地・建物とも0円になることが多い税金です。大阪市内・専有70㎡・築15年のモデルで計算すると0円、同じ物件でも軽減を1つでも外すと約27万5,000円。分かれ目は「自分が住む」「床面積40㎡以上240㎡以下」「昭和57年1月1日以後の新築」の3つの要件だけです。

この記事でわかること
  • 軽減後の税額の目安
  • 軽減が使える3要件
  • 通知が届く時期と手続き
読み終える頃には、自分が買う(買った)物件が軽減の対象かを3つの条件で判定でき、軽減後の税額の見当と、通知が届いたときに何を確認すればいいかまで分かるようになります。
公開: 更新: 読了目安:12分
代表取締役 加川 将嗣
この記事の監修者
代表取締役 加川
宅地建物取引士|大阪市で中古住宅の売買仲介を担当

中古マンションの不動産取得税は「軽減を使えば0円」になることが多い

中古マンションを自分の住まいとして買う場合、不動産取得税は軽減措置を使えば0円になることが多い税金です。

前提: 大阪市内・築15年・専有70㎡(共用部分の按分を含む床面積85㎡)・購入価格2,000万円/固定資産税評価額は家屋708万円・土地(持分30㎡)420万円/2026年に取得・本人が住む

軽減を使う場合軽減が使えない場合
家屋(建物)の税額0円約21万2,000円
土地の税額0円6万3,000円
合計0円約27万5,000円

同じ物件でも、軽減が効くかどうかで約27万5,000円の差がつきます。しかも要件は厳しくありません。「自分が住むために、40㎡以上の、昭和57年1月1日以後に新築されたマンションを買う」であれば満たせます。

モデルの評価額は当社が固定資産税の記事で使っているものと同じ前提(家屋の再建築価格1,190万円×経年減点補正率0.5947/土地は1㎡あたり14万円×持分30㎡)です。実際の評価額は物件ごとに違うため、金額より「軽減の有無で開く差」を見てください。

分岐点から2本に分かれる道と、片方の道の先にだけ積み上がる塊で、軽減の有無による分かれ道を表した図

不動産取得税と固定資産税は「別の税金」——一回きりか、毎年か

名前の似たこの2つを混同して「毎年27万円も取られるのか」と青くなる方がいらっしゃいますが、別の税金です。

不動産取得税固定資産税・都市計画税
課税するのは都道府県(大阪府)市町村(大阪市)
いつ課税されるか取得したとき一回きり毎年1月1日時点の所有者に毎年
通知が届く時期引き渡しから数か月後(一度だけ)毎年4月上旬
計算の基準固定資産税評価額固定資産税評価額

基準になる評価額は共通ですが、課税する役所も、回数も、届く時期も別です。毎年かかるほうは中古マンションの固定資産税はいくら?をご覧ください。

「0円」になるのは珍しいことではない

理由は、中古住宅の軽減では家屋の評価額から最大1,200万円が控除されるからです。大阪市内の中古マンションで家屋の評価額が1,200万円を超えるのは、専有面積がよほど広いか築浅の場合に限られます。土地も、減額の計算式が「住宅の床面積の2倍(200㎡が上限)」を基準にしているため、持分の小さいマンションでは減額の枠が当初の税額を軽く上回ります

税額が出るのは、3要件を満たさない場合(投資用、床面積不足など)と、新築時期が古く控除額が420万円・450万円と小さい年代で家屋の評価額がそれを上回る場合です。後者は数千円から数万円で収まることが大半で、金額が大きく変わるのは前者——「軽減が使えるかどうか」が最大の分かれ目です。

テーブルの上に2通の封筒と書類を並べて見比べている手元の写真

なぜ軽減で0円まで下がるのか——中古住宅にも新築と同じ控除がある

理由は2つ。課税の基準が購入価格ではないことと、中古住宅にも新築時と同額の控除があることです。

課税の基準は購入価格ではなく「固定資産税評価額」

計算式はシンプルですが、問題は「不動産の価格」が何を指すかです。

不動産の価格(課税標準額)× 税率 = 税額

「課税標準額となる価格とは、購入価格や建築工事費等の価格ではなく、原則として、不動産を取得したときの市町村の固定資産課税台帳に登録されている価格です(固定資産税の課税標準額ではありません。)。」(大阪府「不動産取得税」より)

2,000万円で買ったマンションでも、基準になるのは大阪市が付けた固定資産税評価額です。中古マンションでは土地と建物を合わせて1,000万円台前半に収まることが珍しくなく、この時点で課税の土台が売買価格の半分近くまで下がっています

税率は本則4%ですが、特例で土地と住宅は3%(平成20年4月1日から令和9年(2027年)3月31日までの取得)。さらに宅地や宅地比準土地を令和9年3月31日までに取得した場合、登録価格の2分の1が課税標準額になります。モデル物件の土地420万円が課税標準210万円になるのは、このためです。この2つは後述の3要件とは別枠で、自分が住むかどうかに関係なく適用されます。

中古住宅にも「新築時と同額の控除」がある

新築住宅には課税標準から1,200万円を控除する特例がありますが、中古住宅にも新築された時期に応じた同額の控除があります(国土交通省は「課税標準から新築時における控除額と同額を控除」と説明)。

住宅が新築された年月日控除される額(1戸につき)
昭和57年1月1日〜昭和60年6月30日420万円
昭和60年7月1日〜平成元年3月31日450万円
平成元年4月1日〜平成9年3月31日1,000万円
平成9年4月1日以降1,200万円

平成9年(1997年)4月以降に新築された住宅は、一律1,200万円。2026年時点でおおむね築29年以内の物件が入り、大阪市内で流通する中古マンションの中心層はこの範囲です。

(家屋の評価額 − 控除額)× 3% = 家屋の税額

評価額が控除額を下回ればマイナス、つまり税額0円。モデル物件(家屋708万円・平成23年新築で控除1,200万円)がこのパターンです。

上限を示す線より低い位置まで満たされた細長い容器を描き、中身が上限の枠に収まる様子を表した図

控除額は「買った時期」ではなく「その住宅が新築された時期」で決まります。2026年時点で築40年、つまり昭和61年に新築された物件を買っても、控除額は450万円の枠です。登記事項証明書の新築年月日を見れば、表のどこに当たるかすぐ分かります。

ホチキス留めされた書類の記載を指先でたどって確認している手元の写真

自分の物件が軽減の対象になるか確認する3要件

中古住宅の軽減(税制上は「耐震基準適合既存住宅」の控除)を受けられるのは、次の3つをすべて満たす場合です。1つでも欠けると受けられません。

中古マンションの軽減 3要件
  • ① 取得した本人が居住するための住宅であること
  • ② 床面積が40㎡以上240㎡以下であること(2026年4月1日以降の取得の場合)
  • ③ 昭和57年1月1日以後に新築された住宅であること(または耐震基準への適合が証明されたもの)

要件① 取得した本人が住むこと——投資用は対象外

大阪府の要件は「取得者個人が居住するもの」です。賃貸に出す投資用や法人名義での取得は対象になりません。別荘・セカンドハウスは実際の住まい方で取扱いが分かれるため、府税事務所にご確認ください。親子や夫婦の共有名義で買って両方が住む場合は問題ありません。要件を満たすのが一部の人だけなら「要件を満たす方の持分価格から、新築年月日に応じた額を上限として控除」される扱いです。

「いずれ住むつもりで、しばらくは貸す」という買い方は、この要件から外れます。軽減の有無で数十万円変わりますので、住み方が固まっていない段階では府税事務所に事前にご相談ください。

要件② 床面積は40㎡以上240㎡以下——2026年4月から下限が下がった

ここが2026年に変わったポイントで、従来の下限50㎡が令和8年度の税制改正で緩和されました。

取得した日必要な床面積
令和8年(2026年)3月31日以前50㎡以上240㎡以下
令和8年(2026年)4月1日以降40㎡以上240㎡以下

2026年4月1日以降に引き渡しを受ける方は、40㎡以上あれば要件を満たします。「50㎡に届かないから」と諦めていたコンパクトなマンションが、一気に対象に入ってきました。

もう1つ、測り方を知らないと損をします。

「床面積は、現況の床面積で判定します。マンション等の区分所有住宅の床面積は、専有部分の床面積と専有部分に応じてあん分した共用部分の床面積も含みます。」(大阪府「不動産取得税」の注記より)

エントランスや廊下といった共用部分の按分を足して判定するため、モデル物件では専有70㎡に対し按分込みで約85㎡になります。つまり販売図面に「専有面積38㎡」とあっても、按分を足せば40㎡を超えている可能性があるということ。図面の数字だけで「対象外だ」と判断するのは早すぎます。

紛らわしいのが住宅ローン控除との違いです。国税庁は「マンションの場合は、階段や通路など共同で使用している部分(共有部分)については床面積に含めず、登記事項証明書上の専有部分の床面積で判断します」と説明しており、共用部分を含める不動産取得税とは逆向きです。境界線に近い広さの物件は、税ごとに分けて確認してください。

部屋の形を囲む帯と、それをさらに囲む外枠を重ねて描き、専有部分と共用部分をあわせた広さで判定することを表した平面図

要件③ 昭和57年1月1日以後に新築されたこと

3つ目は耐震性に関する要件です。大阪府の条件は、ア 昭和57年1月1日以後に新築されたものか、イ アに該当しない住宅で、建築士等が行う住宅の調査等により耐震基準に適合していることの証明がされたもののいずれかを満たすことです。

気をつけたいのが「新耐震基準」との違いです。建築基準法の新耐震基準は昭和56年6月1日以降に建築確認を受けた建物ですが、軽減が見ているのは昭和57年1月1日以後に新築されたかどうか。日付も、見ている対象(建築確認か、完成か)も違います。築年数と耐震性の見方は中古マンションは築何年まで?で整理しています。

アを満たさない古い物件でも、イの証明(耐震基準適合証明書/建設住宅性能評価書の写し/既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類。いずれも取得の日前2年以内のもの)があれば軽減を受けられます。

これらの証明は引き渡し前に手配する必要があります。「取得の日前2年以内」という条件があるため、通知が届いてからでは間に合いません。旧耐震の物件で軽減を使いたい場合は契約前に仲介会社へご相談ください(取得後6か月以内に耐震改修を行うなど、別の要件で軽減を受けられる制度もあります)。

テーブルに広げた一覧表の書類を押さえながら電卓を打っている手元の写真

軽減後の税額を計算してみる——大阪市・築15年・専有70㎡のモデルケース

手順① 評価額を確認する

必要なのは購入価格ではなく土地と家屋それぞれの固定資産税評価額です。もっとも早いのは、売主が毎年受け取っている「課税明細書」を見せてもらうこと。モデル物件では家屋708万円・土地420万円(持分30㎡・1㎡あたり14万円)が分かったとします。

課税明細書の「価格(評価額)」「課税標準額」のうち、使うのは評価額です。課税標準額は固定資産税の特例(住宅用地の6分の1など)を反映した後の数字なので、そちらでは計算が合いません。

手順② 家屋——評価額から控除額を引く

モデル物件は築15年、平成23年(2011年)新築ですから控除額は1,200万円です。

(708万円 − 1,200万円)× 3% → マイナスのため 0円

軽減が使えなければ 708万円 × 3% = 約21万2,000円。控除の有無だけで、これだけ違います。

手順③ 土地の税額を出して合計する

土地は、いったん税額を計算してから減額します。

土地の評価額 420万円 × 1/2(宅地の特例)× 3% = 6万3,000円(当初の税額)

減額される額は、大阪府の算式では次の2つのうち高いほうです。

  • 45,000円
  • 土地1㎡当たりの価格 × 住宅の床面積 × 2 × 3%(床面積は1戸につき200㎡が上限)

土地1㎡当たりの価格:(420万円 × 1/2)÷ 30㎡ = 7万円/住宅の床面積 × 2:85㎡ × 2 = 170㎡(200㎡以下)/減額される額:7万円 × 170㎡ × 3% = 35万7,000円

高いほうの35万7,000円が差し引かれ、当初の税額6万3,000円を大きく上回るため、土地の税額も0円です。

家屋 0円 + 土地 0円 = 納める税額 0円(軽減を使わなかった場合は、家屋 約21万2,000円 + 土地 6万3,000円 = 約27万5,000円

減額の枠がこれほど大きくなるのは、算式が「住宅の床面積の2倍」を基準にしているためです。土地の持分は30㎡なのに住宅の床面積は85㎡——この差が、そのまま減額の余裕になります。なお土地の軽減には取得のタイミングの条件(住宅の取得前後1年以内)もありますが、土地・建物を同じ日に買う一般的な取引なら収まります。

大きな枠の中の隅に小さな正方形を配置し、面積の差で減額の枠の大きさを表した図

いつ・どうやって払う?——通知は引き渡しから半年前後

不動産取得税は、こちらから納めに行く税金ではなく、府税事務所から届く納税通知書で納める税金です。

「お知らせ」が先、「納税通知書」が後

「府税事務所から課税標準額、税額等を記載した納税通知書兼納付書を送付しますので、その指定した期日(納期限)までに納付してください。なお、納税通知書兼納付書を送付する前に『不動産取得税の課税について(お知らせ)』等により、予定税額や納期限等をお知らせします。」(大阪府「不動産取得税」より)

いきなり請求書が来るわけではありません。届く時期は物件によって幅がありますが、引き渡しから半年前後が実感に近いところです。時間が空くため、諸費用の記事でもお伝えしているとおり入居時の出費とは別枠で取り分けておくと安心です。

自宅のダイニングテーブルで、届いた封筒を開けて中の書類を確認している手元を写した写真

軽減は自動では付かない——申告書の提出が必要

ここがいちばん大事なところです。

軽減及び徴収猶予を受けるためには、申告書の提出等の手続きが必要です。」(大阪府「不動産取得税」より)

軽減は黙っていて付くものではありません。 中古住宅の軽減を受けるには「耐震基準適合既存住宅(等の用に供する土地)の取得に対する不動産取得税の控除申告書」を、物件の所在地を管轄する府税事務所に提出します。必要書類は次のとおりです(いずれも写しで可)。

  • 控除申告書(減額申告書/還付申請書)
  • 売買契約書(契約条項部分を含む)および最終代金領収書
  • 建物登記事項証明書
  • 住民票

提出は窓口持参・郵送・電子申請から選べます。先に届く「お知らせ」に案内が同封されていますので、それに沿うのがいちばん確実です。

通知が来たら、軽減が反映されているか確認する

納税通知書が届いたら見る3か所
  • 課税標準額が、家屋の評価額から控除額(1,200万円など)を引いた後の金額になっているか
  • 土地の税額が、減額を反映した後の金額になっているか
  • 3要件を満たしている場合、その軽減が反映された金額になっているか(満額のまま届いていないか)

計算どおりなら0円のはずなのに数十万円の通知が来た場合は、軽減が反映されていない可能性があります。納期限までに府税事務所の不動産取得税課へお問い合わせください。

重ねた数枚の紙から弧を描く線が伸び、その先の受付窓口へ向かう様子を表した図

よくある質問

Q相続や贈与で取得した場合も課税されますか?
A

相続による取得は非課税です(包括遺贈および相続人に対する特定遺贈を含みます)。一方、贈与による取得は課税されます。大阪府は、婚姻期間20年以上の夫婦間の居住用不動産等の贈与や相続時精算課税制度による贈与についても「不動産取得税には同様の制度がありませんので、課税されます」と説明しています。贈与の場合でも、中古住宅の軽減の要件を満たせば軽減は適用され得ます。

Q軽減の申告を忘れて納めてしまいました。取り戻せますか?
A

大阪府の様式は「控除申告書(減額申告書(還付申請書))」で、納付後の還付申請にも対応しています。ただし還付を請求できる期間には限りがありますので、気づいた時点でできるだけ早く府税事務所の不動産取得税課へご相談ください。必要書類は軽減の申告と同じです。

Q専有面積が40㎡に届かないマンションは対象外ですか?
A

販売図面の専有面積だけで判断しないでください。不動産取得税の床面積は「専有部分の床面積と専有部分に応じてあん分した共用部分の床面積も含む」と大阪府が明記しています。図面上38㎡でも、按分を足せば40㎡を超えていることがあります。なお40㎡という下限は2026年4月1日以降の取得に適用されるもので、それ以前の取得は50㎡が下限です。

まとめ——3要件を確認しておけば、通知が来ても慌てない

不動産取得税は、金額が読めないから不安に感じるだけで、仕組みはシンプルです。

中古マンションの不動産取得税 4つの要点
  • 一回きりの税金。毎年かかる固定資産税とは別物で、引き渡しから半年前後に通知が届く
  • 課税の基準は購入価格ではなく固定資産税評価額。土地は宅地の2分の1特例、税率は3%(令和9年3月31日まで)
  • 軽減の3要件(自分が住む/床面積40㎡以上240㎡以下/昭和57年1月1日以後の新築)を満たせば、土地・家屋とも0円になることが多い
  • 軽減は自動では付かない。控除申告書の提出が必要。通知が来たら払う前に軽減の反映を確認する

物件を探している段階でできることは、登記事項証明書の新築年月日と床面積を確認しておくことだけ。それだけで3要件はその場で判定できます。評価額の調べ方(課税明細書の取り寄せ)や3要件の判定はご一緒に確認できますので、内見のときにお声がけください。

この記事は制度の一般的な説明です。実際の税額は物件ごとの評価額と軽減の適用状況で変わります。正確な金額や適用の可否は、物件の所在地を管轄する大阪府の府税事務所(不動産取得税課)にご確認ください。

代表取締役 加川 将嗣
この記事の監修者
代表取締役 加川

株式会社ファンズハウス代表。大阪市を中心に中古マンション・中古戸建ての売買仲介を行っています。専門用語をできるだけ使わず、購入前に知っておきたい情報を実務目線で発信しています。