本文へ移動
中古マンション購入

【2026年版】中古マンション購入の注意点7つ|後悔しない選び方

予算を考えて中古マンションに絞ったものの、「中古って何に気をつければいいの?」と手が止まっていませんか。「安いのには理由があるのでは」「買ってから欠陥が見つかったら」——初めての購入なら、不安になるのが自然です。

【2026年版】中古マンション購入の注意点7つ|後悔しない選び方
結論 — この記事の答え

結論、中古マンション購入の注意点は「物件選び・お金・内覧と契約」の3つの場面・7つのポイントに整理できます。すべてを専門家の目で見抜く必要はありません。場面ごとに順番に確認していけば、初めての方でも避けるべき物件は見分けられます。

この記事でわかること
  • 7つの注意点の全体像
  • 避けるべき物件の特徴
  • 内覧・契約前の確認点
読み終える頃には、「なんとなく不安」が「この7つを順に確認すればいい」に変わり、候補物件をご自身の目でふるいにかけられるようになります。
公開: 更新: 読了目安:11分
代表取締役 加川 将嗣
この記事の監修者
代表取締役 加川
宅地建物取引士|大阪市で中古住宅の売買仲介を担当

中古マンション購入の注意点は7つ——「物件・お金・契約」の3場面で確認する

最初に結論からお答えします。中古マンションの購入で確認すべき注意点は、次の7つです。

中古マンション購入の注意点7つ
  • ① 耐震基準と築年数——1981年6月以降の「新耐震」かを建築確認日で見る
  • ② 管理状態と修繕積立金——長期修繕計画・積立金の水準・修繕履歴・滞納
  • ③ 立地と周辺環境——ハザードマップと、売るときの流動性
  • ④ 物件価格以外の費用——諸費用・税金・リフォームまで含めた総額
  • ⑤ 住宅ローンと住宅ローン控除——中古ならではの条件を確認する
  • ⑥ 内覧のチェック——室内だけでなく共用部を見る
  • ⑦ 契約前の最終確認——重要事項説明を読み込み、即断しない

ポイントは、この7つがバラバラではなく、「物件選び(①〜③)→お金(④〜⑤)→内覧・契約(⑥〜⑦)」という3つの場面に対応していることです。検討の進み具合に合わせて順番に確認すればよく、一度に全部を覚える必要はありません。そしてどれも、建築士のような専門知識がなくても、書類と現地の「見る場所」さえ知っていれば確認できるものばかりです。

ここからは、この順番のとおりに、ひとつずつ確認のしかたを見ていきます。

物件選び・お金・内覧と契約の3つの場面を順番に確認して進むことを示した図

なぜ中古マンションは「注意点を知っているか」で結果が分かれるのか

同じ「家を買う」でも、新築と中古では買い物の性質がかなり違います。理由は大きく3つあります。

1つ目は、現物ごとの個体差が大きいことです。新築は同じ基準で作られたばかりの住戸が並びますが、中古は1戸ごとに管理の歴史も使われ方も違います。同じ築25年でも、修繕を重ねてきたマンションと修繕が滞ってきたマンションでは、建物の状態は別物です。「相場より安い」には、たいてい理由があります。

2つ目は、保証が新築より薄いことです。中古の売買では、引き渡し後に見つかった不具合に対する売主の責任(契約不適合責任)が、契約の特約で限定されたり免除されたりすることがあります(詳しくは⑦で解説します)。「買ったあとは誰かが守ってくれる」度合いが新築より小さいぶん、買う前の確認が効いてきます。

3つ目は、判断材料を自分から取りに行く必要があることです。中古には新築のモデルルームやパンフレットのような整った情報一式はなく、管理の資料・建物の状態・周辺の相場は、こちらから確認しないと出てきません。だからこそ、「何を見るか」のリストを先に持っているかどうかで、結果が分かれるのです。

逆に言えば、中古は実物と管理の実績という「答え」を確認してから買える買い物です。完成前に契約することも多い新築にはない、この利点を活かすために、7つの注意点を順に見ていきましょう。

同じ規格が並ぶ新築と1戸ごとに個性がある中古の違いを表した対比図

物件選びの注意点——候補を3つの目でふるいにかける【場面1】

最初の場面は物件選び、つまり候補を絞る段階です。①〜③の3つで「そもそも検討してよい物件か」をふるいにかけます。

① 耐震基準と築年数——「1981年6月」の境目を建築確認日で見る

最初に確認すべきは耐震性です。日本の耐震基準は1981年(昭和56年)6月1日に大きく改正され、それ以降に建築確認を受けた建物は「新耐震基準」、それより前は「旧耐震基準」と呼ばれます。新耐震基準は、震度6強〜7程度の大地震でも倒壊・崩壊しないことを目標とした設計基準です。候補物件がどちらの世代かは、必ず確認してください。

注意したいのは、境目が竣工年(完成年)ではなく建築確認日であることです。マンションは着工から完成まで1〜2年かかるのが一般的で、1982〜83年頃に完成した物件には旧耐震のものが混ざっています。販売図面の「築年月」だけで判断せず、境目前後の物件は建築確認日ベースの確認を仲介会社に依頼してください。旧耐震でも、耐震診断と改修工事を済ませているマンションなら選択肢になり得ますが、その場合は診断結果と改修内容の資料の確認が前提です。

一方で、築年数そのものに一律のNGラインはありません。よく聞く「耐用年数47年」は税金の計算用の数字で、建物の寿命ではないからです。築年数の考え方と築年数帯ごとの注意点は「中古マンションは築何年まで?」の記事で詳しく解説しているので、築古の候補で迷ったらあわせてお読みください。

1981年6月の新耐震基準の境目を示した図

② 管理状態と修繕積立金——「マンションは管理を買え」

不動産の世界には「マンションは管理を買え」という格言があります。マンションの建物の状態は、築年数ではなく維持管理で決まるからです。見るポイントは次の4つです。

  • 長期修繕計画があるか: 将来の修繕工事と費用の計画が作られ、定期的に見直されているか
  • 修繕積立金の水準: 極端に安い場合は、将来の値上げや一時金徴収のリスクを織り込む必要があります。国土交通省のガイドラインでは、たとえば20階未満・延べ床面積5,000㎡未満のマンションで月335円/㎡(計画期間全体の平均額)が目安とされています
  • 大規模修繕の履歴: 外壁補修・屋上防水などの大規模修繕は、一般におおむね12〜15年周期で行われることが多く、築20年超で履歴が一度もない場合は要注意です
  • 管理費・修繕積立金の滞納状況: 滞納が多いマンションは管理組合の財政が傷んでおり、必要な修繕が打てなくなっていきます

これらは、管理会社が発行する「重要事項調査報告書」や重要事項説明で確認できます。候補の段階では、仲介会社に「長期修繕計画の有無と直近の大規模修繕の実施年、積立金の水準と滞納の有無を確認してほしい」と伝えれば大丈夫です。

管理の行き届いたマンションの明るいエントランスホール

③ 立地と周辺環境——ハザードマップと「売るときのこと」まで見る

立地は、あとからリフォームでは変えられない代表的な要素です。見るのは大きく3つです。

  • 災害リスク: 水害ハザードマップ上の物件の所在地は、2020年から重要事項説明での説明が義務になっています。ただし重要事項説明は契約の直前です。候補の段階で、自治体が公開しているハザードマップ(大阪市は区ごとに公開されています)をご自身で確認しておきましょう
  • 生活利便: 駅距離・買い物・通勤通学。平日と休日、昼と夜で街の顔は変わるので、時間帯を変えて歩いてみるのがおすすめです
  • 売るときの流動性(資産性): ずっと住むつもりでも、転勤や家族構成の変化で売る日が来ることはあります。「自分が買いたい理由」が「次の買い手にも通じるか」という目で見ておくと、価格が崩れにくい物件を選べます

大阪市内でも、水害リスクは川や海との位置関係でエリアごとに大きく違います。ハザードマップは「エリアの評判」ではなく、必ず物件の所在地ごとに確認してください。

地図の上で物件の立地と川などの周辺環境を確かめることを示した図

お金の注意点——「物件価格」ではなく「総額」で考える【場面2】

2つ目の場面はお金です。物件選びと並行して、資金計画を「物件価格」ではなく「総額」で組み立てます。

④ 物件価格以外の費用——諸費用・税金・リフォームまで入れて予算を組む

中古マンションの購入では、物件価格のほかに次のお金がかかります。

  • 購入時の諸費用: 仲介手数料・登記費用・住宅ローン関連費用・各種税金など。一般に物件価格の6〜9%程度が目安と言われます。内訳でいちばん大きい仲介手数料の計算方法は仲介手数料の記事で解説しています
  • 毎年かかる税金: 固定資産税・都市計画税。物件によって年額は大きく違うので、「年いくらか」を仲介会社に必ず確認してください。仕組みは固定資産税の記事にまとめています
  • リフォーム費用: 築20年を超える物件は、キッチン・浴室など水回りの更新費用を上乗せして考えるのが現実的です

ありがちな失敗が、「物件価格は予算内だったのに、諸費用とリフォームで総額が想定を超えた」というパターンです。候補を比べるときは、物件価格ではなく「物件価格+諸費用+当面のリフォーム費用」の総額で並べてください。安く見えた物件が、総額では逆転することも珍しくありません。

物件価格・諸費用・リフォーム費用を合わせた総額で考えることを示した図

⑤ 住宅ローンと住宅ローン控除——中古でも使える。ただし条件を確認する

「中古だと住宅ローンが組めないのでは」と心配される方がいますが、築年数が古くても住宅ローンを組めるケースは普通にあります。ただし金融機関によっては、担保評価や借入期間の設定に築年数が影響することがあります。候補が絞れてきたら、早めに事前審査で確認するのが確実です。

住宅ローン控除(住宅ローン減税)も中古で使えます。2022年の制度改正で中古住宅の築年数要件は廃止され、現在は「1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された住宅」であれば新耐震基準適合とみなされて対象になります。それより前の建物でも、耐震基準適合証明書などがあれば対象になり得ます。①で確認した耐震の世代が、お金の面でも効いてくるわけです。

住宅ローン控除には、床面積や所得などこの記事で触れていない適用要件もあります。ご自身のケースで使えるかは、事前審査の段階で金融機関に、申告の要件は税務署にご確認ください。

銀行からの融資とマンションから戻る控除・還付の流れを表した図

内覧・契約の注意点——最後のふるいにかける【場面3】

最後の場面は内覧と契約です。書類で絞った候補を、⑥⑦の2つで最終確認します。

⑥ 内覧のチェック——室内だけでなく「共用部」を見る

内覧というと室内に目が行きがちですが、私たちが必ずおすすめしているのは共用部を見ることです。②で確認した「管理の実力」が、現地では共用部に表れるからです。

  • 室内で見るところ: 水回り(水圧・排水・カビ臭)、床の傾きや建具の開閉、窓まわりの結露跡、におい、窓からの眺めと音
  • 共用部で見るところ: エントランスや廊下の清掃状態、掲示板(貼り紙の内容と日付の鮮度)、ゴミ置き場、駐輪場の整頓、廊下への私物のはみ出し

共用部が整っているマンションは、管理組合と管理会社が機能しているサインです。逆に、掲示板に古い貼り紙が残ったまま、ゴミ置き場が荒れている、といったマンションは、書類上の数字が悪くなくても現場の管理が緩んでいる可能性があります。室内はリフォームで変えられますが、共用部=管理は自分では変えられません。

内覧は1回で決めず、できれば時間帯や曜日を変えてもう一度見るのがおすすめです。確認項目は多いので、チェックリストを手に持って回ると見落としを防げます。

内覧でマンションの共用部を確認する夫婦

⑦ 契約前の最終確認——重要事項説明を読み込み、即断しない

買うと決めたら、契約の前に宅地建物取引士による重要事項説明があります。長い書類ですが、ここまで確認してきたことの「答え合わせ」の場です。特に次の3点は必ず確認してください。

  • 契約不適合責任の範囲と期間: 引き渡し後に雨漏りや設備の故障が見つかったとき、売主がどこまで責任を負うか。2020年の民法改正で従来の「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」に変わりましたが、中古の売買では特約で範囲や期間が限定されたり、免除されたりすることがあります。「どの範囲が・いつまで」対象かを契約書で確認してください
  • 管理費・修繕積立金の滞納の有無: 前の所有者に滞納があると、その支払い義務は原則として買主に引き継がれます(法律上、管理組合は新しい所有者にも請求できます)。滞納額の有無と、引き渡しまでの精算方法を確認してください
  • 修繕の予定と一時金: 近いうちに大規模修繕や積立金の値上げ・一時金の徴収が予定されていないか。購入直後の出費に直結します

そしてもうひとつ。「ほかにも検討中の方がいます」と急かされても、疑問が残ったまま即断しないことです。契約後の解除は手付金の放棄などの負担を伴うのが一般的で、「契約前に納得しきる」が鉄則です。価格や条件の相談も契約前が最後のタイミングです(進め方は値引き交渉の記事で解説しています)。契約から引き渡しまでの全体の流れは契約・引き渡しの記事で確認できます。

契約書の大事な条項を虫眼鏡で確かめてから判を押すことを表した図

よくある質問

Q買ってはいけない中古マンションの特徴は?
A

ひとつの特徴だけで「買ってはいけない」と決まることは少なく、危ないのは悪条件の重なりです。たとえば「旧耐震で、耐震診断・改修の記録がない」「修繕積立金が極端に安いのに大規模修繕の履歴がなく、滞納も多い」「ハザードマップの浸水想定が深いエリアなのに、その説明があいまい」といった組み合わせです。この記事の7つのうち、特に①②(耐震・管理)で複数のサインが重なる物件は、価格が魅力的でも見送ることをおすすめします。

Q中古マンションと新築、どちらがいいですか?
A

どちらにも利点があり、一概には言えません。新築の強みは設備の新しさと保証の手厚さ。中古の強みは、同じ予算で立地や広さの選択肢が広がることと、実物と管理の実績を確認してから買えることです。新築は完成前に契約することも多いのに対し、中古は建物・共用部・管理組合の運営状況という「答え」を見て判断できます。この記事の注意点を確認できる方にとっては、中古は合理的な選択肢だと私たちは考えています。

Q築何年までなら買っても大丈夫ですか?
A

「築◯年まで」という一律の線はありません。よく聞く「耐用年数47年」は税金の計算のための数字で、建物の寿命ではないからです。判断は築年数の数字ではなく、①新耐震か(1981年6月以降の建築確認か)②管理・修繕が健全か ③ローン・控除・改修費込みで資金計画が成り立つか、の3点で行います。管理状態の良いマンションであれば、築年数がある程度いっていても検討に値します。

Q内覧は何回・何分くらいするべきですか?
A

決まりはありませんが、私たちがおすすめしているのは「本命の物件は時間帯を変えて2回以上、1回あたり30分以上」です。1回目は室内と共用部をチェックリストで一通り確認し、2回目は平日の夜や雨の日など条件を変えて、音・におい・周辺の様子を確かめます。売主さまが居住中の物件では長居しづらいこともありますが、確認したい点をリストにして臨めば、短い時間でも見落としは防げます。

まとめ——7つの注意点を「物件→お金→契約」の順に確認すれば怖くない

この記事の要点
  • 中古マンションの注意点は「物件選び・お金・内覧と契約」の3場面・7つに整理できる。順番に確認すれば、初めてでも見極められる
  • 物件選びは①新耐震か(1981年6月の境目は建築確認日)②管理と修繕積立金 ③ハザードマップと資産性
  • お金は物件価格ではなく総額で。住宅ローン控除は「1982年1月1日以降建築」が目安
  • 内覧では共用部に管理の実力が表れる。契約前は契約不適合責任・滞納・修繕予定を確認し、即断しない

7つの注意点を、確認の場面ごとに早見表にまとめます。

注意点確認する場面主な確認手段
① 耐震基準と築年数候補選び建築確認日(重要事項説明書・台帳記載事項証明書)
② 管理状態と修繕積立金候補選び重要事項調査報告書・長期修繕計画
③ 立地と周辺環境候補選びハザードマップ・時間帯を変えた現地確認
④ 物件価格以外の費用資金計画諸費用の概算・年間の税額確認
⑤ ローンと住宅ローン控除資金計画事前審査・金融機関/税務署への確認
⑥ 内覧のチェック内覧当日チェックリスト・共用部の観察
⑦ 契約前の最終確認契約前重要事項説明書・売買契約書

中古マンション選びは、「すべてを見抜く」のではなく「見るべき7つを順に確認する」ことで、不安を判断に変えられます。特に②と⑥(管理と共用部)は、書類と現地の両方から同じことを確かめる関係にあります。ここを丁寧に見るだけで、避けるべき物件はかなりの精度でふるい落とせます。

LINEでお配りしている「物件の選び方・内覧チェックリスト」は、この記事の7つの注意点を、物件探しから内覧当日までそのまま使える確認項目に落とし込んだものです。共用部のどこを見れば管理状態が分かるかもまとめてありますので、候補物件を見に行く前に手元に置いておいてください。

この記事は中古マンション購入の一般的な説明です。個別物件の状態や契約条件は重要事項説明書・管理組合の資料で、住宅ローン控除などの適用条件は税務署や金融機関にご確認ください。

代表取締役 加川 将嗣
この記事の監修者
代表取締役 加川

株式会社ファンズハウス代表。大阪市を中心に中古マンション・中古戸建ての売買仲介を行っています。専門用語をできるだけ使わず、購入前に知っておきたい情報を実務目線で発信しています。