中古マンションリフォームの補助金・減税・ローン3選(2026年)
中古マンションを買ってリフォームするとなると、物件価格にそのまま工事費が乗ってきます。少しでも自己負担を減らしたいのに、補助金・減税・ローンの情報は制度ごとにバラバラで、結局どれが自分に使えるのか分からないまま工事が始まってしまう——これがいちばん多いパターンです。
中古マンションのリフォームで使えるお得は、①補助金 ②減税 ③ローンの組み方の3種類です。2026年の国の補助金はリフォーム会社(登録事業者)が代わりに申請する仕組みで、登録のない会社に頼むと使えません。減税は工事完了後の確定申告と市区町村への申告、ローンは物件探しの段階の資金計画がカギ。3つとも「工事を頼む前」に確認しておくのが、取りこぼしのない進め方です。
- 補助金・減税・ローン
- 申請は工事を頼む前に
- 3つは併用できるのか
リフォームで使えるお得は「補助金・減税・ローン」の3種類
先に結論をお伝えします。中古マンションのリフォームでお金の負担を軽くする方法は、①補助金(もらう)②減税(税金が減る)③ローンの組み方(利息を抑える)の3種類しかありません。バラバラに見える制度も、この3つに仕分けてしまえば全体像がつかめます。
| 制度 | 対象になりやすい工事 | 動くタイミング | 確認先 |
|---|---|---|---|
| ① 補助金 | 窓・断熱などの省エネ改修が軸。それに紐づく水回りや防災の工事も | 工事を頼む前(着工前) | リフォーム会社・市区町村 |
| ② 減税 | 耐震・省エネ・バリアフリー・三世代同居・長期優良住宅化・子育て対応 | 工事の完了後(申告) | 税務署・市区町村 |
| ③ ローン | 工事の内容は問わない | 物件探しの段階 | 金融機関 |
3つは効き方も違います。補助金は現金がもらえる、減税は払う税金が減る、ローンは利息の総額が変わる。もらえる時期も、補助金が工事のあと、減税が申告のあと、ローンに至っては何十年もかけて効いてきます。同じ「お得」でもお金が動く場所がまったく違うので、ひとまとめに考えると混乱します。まず3つに仕分けることが、この話のいちばんの近道です。
大事なのは、3つとも「工事の内容と金額が決まる前」に動かないと使えないことです。とくに補助金は、登録のない会社に頼んだ工事や、契約より先に着工してしまった工事を、あとから追いかけることができません。順番としては、物件を探しながらローンの組み方を決め、リフォーム会社を選ぶときに補助金の可否を確認し、工事が終わったら減税の申告をする——という流れになります。
マンションでリフォームできるのは専有部分(住戸の内側)です。窓・玄関ドア・バルコニーは共用部分にあたることが多く、管理規約で工事の範囲が決まっています。何がどこまでできるかは中古マンションのリフォームで管理組合が絡む5つの制限にまとめました。

なぜ3つとも「工事を頼む前」に確認しておくのか
理由は、3つとも後戻りができない制度だからです。
補助金がいちばん厳しく、2026年の国の制度は工事を発注した本人が直接申請することはできません。事前に登録した「みらいエコ住宅事業者」が発注者に代わって手続きをする仕組みなので、登録していないリフォーム会社に工事を頼んだ時点で、その補助金は使えなくなります。契約より先に着工してしまった工事も対象外です。しかも申請の受付は予算上限に達した時点で終了します。
減税も同じです。控除が受けられるのは工事の内容が要件を満たしている場合だけで、要件を満たしていることを証明する書類(増改築等工事証明書など)は工事の内容に基づいて発行されます。工事が終わってから「要件に合う内容に変えてください」とは言えません。
ローンは、リフォーム費用を住宅ローンにまとめて借りる場合、審査に工事の見積もりが必要になるのが一般的です。物件の売買契約と並行してローンの審査が進むため、リフォーム会社選びが遅れると、そもそもこの選択肢が消えます。
どれも「知らなかった」で済まないのは、あとから取り返す手段が無いからです。補助金なら会社を変えて契約からやり直すしかありませんし、減税は工事の内容そのものが要件を外していれば、どう申告しても通りません。工事が始まってからでは、選べるものがひとつも残っていない状態になります。
つまり3つとも、リフォーム会社に「お願いします」と言う前が勝負です。

3つの制度を1つずつ見ていく

① 補助金——2026年の国の制度は「みらいエコ住宅2026事業」
2026年は、国土交通省・経済産業省・環境省が連携した「住宅省エネ2026キャンペーン」が動いており、リフォームの窓口が「みらいエコ住宅2026事業」です。
対象になるのは、平成28年(2016年)12月31日以前に新築された住宅で、戸建・共同住宅の別を問いません。中古マンションの多くが対象に入ります(平成29年以降に新築された住宅でも、平成11年基準を満たさないと証明できる場合は対象になります)。補助を受けるには窓などの開口部の断熱改修と躯体の断熱改修が必須で、補助上限の高い区分では高効率給湯器などの設置も組み合わせが求められます。この必須工事を行う場合に限って、エコ住宅設備・子育て対応・防災性向上・バリアフリーといった工事も補助の対象に加わります。
補助の上限は1戸あたり40万〜100万円。住宅がいつ新築されたか(平成3年以前か、平成4年〜平成28年か)と、どの省エネ基準を満たすかで金額が変わります。
対象になる工事の着工時期は2025年11月28日から2026年12月31日までで、交付申請の受付も2026年12月31日まで(予約は同年11月16日まで)とされていますが、予算の上限に達した時点で締め切られます。この事業は年度ごとに名称も要件も変わるため、検討する時点で必ず公式サイトと市区町村の最新情報をご確認ください。大阪市・大阪府にも独自の助成制度が設けられることがあります。

② 減税——所得税と固定資産税の2ルートがある
減税には所得税と固定資産税の2つのルートがあり、それぞれ別に申告します。
所得税(リフォーム促進税制)は、ローンを組まなくても使えるのが特徴です。耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居・長期優良住宅化・子育て対応の6種類の工事が対象で、標準的な工事費用相当額の10%を所得税から差し引きます。工事の種類ごとに上限が決まっています。
| 対象工事 | 対象工事限度額 | 最大控除額 |
|---|---|---|
| 耐震 | 250万円 | 25万円 |
| バリアフリー | 200万円 | 20万円 |
| 省エネ | 250万円(350万円) | 25万円(35万円) |
| 三世代同居 | 250万円 | 25万円 |
| 子育て対応 | 250万円 | 25万円 |
| 長期優良住宅化 | 250万〜500万円(350万〜600万円) | 25万〜50万円(35万〜60万円) |
※カッコ内は太陽光発電設備を設置する場合。長期優良住宅化は工事の組み合わせで2区分に分かれます。限度額を超えた分とその他の増改築等工事も、一定の範囲まで5%が控除されます(国土交通省「令和8年度税制改正概要」)。
固定資産税は、工事が完了した翌年度分(完了が1月2日〜3月31日なら翌々年度分)の税額が減る仕組みです。減額されるのは耐震で2分の1、バリアフリーと省エネで3分の1、耐震または省エネ改修で認定長期優良住宅になった場合は3分の2。1戸あたり120㎡相当分までが対象です。
こちらは工事の完了後3か月以内に市区町村へ申告しなければならず、大阪市の場合は区を担当する市税事務所が窓口です。3か月を過ぎると原則として減額を受けられません。固定資産税そのものの仕組みは中古マンションの固定資産税の目安と計算方法をご覧ください。
令和8年度の税制改正で、所得税の特例は令和10年12月31日まで、固定資産税の特例は令和13年3月31日まで延長され、対象となる住宅の床面積要件の下限が50㎡から40㎡に緩和されました。ただし大阪市の省エネ改修の減額措置では、工事完了が令和8年4月1日以後の場合に40㎡以上240㎡以下という条件があるなど、制度ごとに細かい要件が違います。

③ ローン——「リフォームローン」と「住宅ローンへの組み込み」
工事費の借り方は2つです。
- リフォームローン(無担保)——審査が比較的早く、担保を入れる必要がない。一方で金利は高め、返済期間は短めになりやすい
- 住宅ローンへの組み込み(一体型)——物件価格と工事費をまとめて1本で借りる。金利は低め、返済期間は長め。ただし審査に工事の見積もりが必要で、取り扱いのない金融機関もある
中古マンションを買ってすぐリフォームするなら、一体型を検討する価値があります。金利差はそのまま総返済額の差になりますし、要件を満たせば住宅ローン控除(住宅ローン減税)の対象にもなり得るからです。
住宅ローン控除は年末のローン残高の0.7%が所得税から戻る制度で、既存住宅(中古)の場合、一般的な中古マンションが当てはまる「その他の住宅」は借入限度額2,000万円・控除期間10年。省エネ性能を証明できれば枠が広がります。床面積40㎡以上(所得1,000万円超の方と子育て世帯等の上乗せ枠を使う場合は50㎡以上)、1982年(昭和57年)1月1日以降の建築(それより前の物件は耐震基準適合証明書などが必要)、返済期間10年以上といった条件があります。

補助金・減税・ローンは併用できるのか
結論から言うと、組み合わせによって扱いが違います。ここが3制度でいちばん誤解の多いところです。
補助金と減税は、同時に受けられることがあります。 ただし所得税の控除額を計算するとき、補助金を受け取った額は工事費から差し引かれます(国税庁)。補助金でもらった分にまで控除がつくわけではない、ということです。「100万円の補助金をもらったうえで、工事費全額に10%の控除がつく」とは考えないでください。
所得税の中では、リフォーム促進税制と住宅ローン減税を同時には使えません。 どちらか一方を選ぶことになります(耐震改修に限り併用が認められています)。ローンを組んで大きな工事をするなら住宅ローン減税、現金で省エネ改修だけするならリフォーム促進税制、といった選び方になります。
どちらが有利かは、借入額・工事の内容・その年に納めている税額で変わります。控除は「納めた税額」を超えて戻ることはないため、上限額がそのまま戻るとは限りません。金額の比較は税務署または税理士にご相談ください。
補助金と固定資産税の減額は、別の話として考えて構いません。 固定資産税の減額は工事の内容と床面積で決まる仕組みで、補助金を受け取ったかどうかで金額が変わるわけではありません。所得税のように差し引かれるのは、補助金と所得税の控除の組み合わせのほうです。
所得税と固定資産税は別の税金なので、それぞれ別に受けられます。 ただし固定資産税の減額措置どうしは、大阪市の場合、耐震・バリアフリー・省エネ・大規模修繕等の措置を重ねて使うことはできません。

自分に使えるか見極める5つのチェックポイント
- 工事の内容——省エネ・耐震・バリアフリーが入っているか。内装の模様替えだけなら補助金も減税も対象外になりやすい
- リフォーム会社——補助金の登録事業者か。登録していない会社に頼むと国の補助金は使えない
- 借りるか、現金か——ローンを組むなら物件探しと並行して金融機関へ。一体型は取り扱いの有無から確認する
- 物件の条件——登記簿上の床面積と建築年。パンフレットの面積(壁芯)より登記簿の面積(内法)は小さくなるため、40㎡・50㎡前後の物件は要注意
- 時期——補助金は予算がなくなり次第終了。固定資産税の申告は工事完了から3か月以内
4つめの床面積は、思っているより落とし穴になります。販売図面に「42.5㎡」と書かれていても、それは壁の中心で測った壁芯面積で、登記簿の内法面積はそれより小さくなります。40㎡を下回れば、住宅ローン控除も多くの減税の特例も対象から外れます。気になる物件は、買付を入れる前に登記事項証明書で面積と建築日を確かめてください。
とくに見落としが多いのが2つめです。相見積もりを取るときに「この工事で使える補助金はありますか。御社は登録事業者ですか」と一言聞いておくだけで、選択肢が残ります。工事費以外に必要になるお金は中古マンション購入の諸費用にまとめています。

よくある質問
交付申請そのものは、工事が完了してから提出します。ただし申請できるのは、登録事業者(みらいエコ住宅事業者)と工事請負契約を結び、その契約より後に着工した工事だけです。登録のない会社に頼んだ工事や、契約より先に着工した工事は、あとから申請しても対象になりません。着工の時期も2025年11月28日から2026年12月31日までと定められています。リフォーム会社を決める前に、補助金を使いたい意向を伝えて確認してください。
制度上は共同住宅も対象ですが、窓や玄関ドアはマンションでは共用部分にあたることが多く、個人の判断では工事できません。内窓(二重窓)の設置は専有部分の工事として認められる管理組合が多い一方、扱いは規約によります。まず管理規約と管理組合への確認が先です。
受けられなくなるわけではありません。ただし所得税の控除額を計算するときに、補助金の額を工事費から差し引いて計算します。両方使える場合でも、合計額は単純な足し算にはなりません。
事業の対象は原則として「平成28年12月31日以前に新築された住宅」(平成29年以降の新築でも、平成11年基準を満たさないと証明できる場合は対象)で、購入の時期そのものは対象住宅の要件には挙がっていません。ただし申請は工事を発注する人の側の話なので、引き渡し前に着工したい場合は、売主の承諾と工事のスケジュールを売買契約の段階で調整しておく必要があります。売主がリフォームしてから売る「リノベーション済み物件」では工事を発注したのは売主ですので、買主側で補助を受け取ることはできません。
中古マンションの購入と同時にリフォームするなら、金利と返済期間の面では組み込み(一体型)が有利なことが多く、住宅ローン控除の対象にもなり得ます。一方、購入から数年たってからの工事や、少額・短期で返す工事は、手続きが簡単なリフォームローンが向きます。取り扱いは金融機関ごとに違うため、物件探しの段階でご相談ください。
まとめ——3つに仕分けて、工事を頼む前に確認する
- リフォームのお得は①補助金 ②減税 ③ローンの組み方の3種類に仕分けられる
- 補助金は登録事業者が代理申請する仕組み。会社を決める前に確認しないと使えず、予算上限で締め切られる
- 減税は所得税と固定資産税の2ルート。所得税は確定申告、固定資産税は工事完了から3か月以内に市区町村へ
- ローンは物件探しの段階から。一体型なら住宅ローン控除の対象になり得る
3つとも、動くべきタイミングは「リフォーム会社に発注する前」です。逆に言えば、そこさえ外さなければ、あとは順番に確認していくだけで取りこぼしはありません。大阪市で中古マンションをお探しでしたら、検討中の物件の建築年と登記簿上の面積を当社で無料でお調べします(住宅ローン控除の条件に当たるかどうかの目安になります)。
この記事は制度の一般的な説明です。補助金は市区町村の窓口と各事業の公式サイト、減税は税務署(固定資産税は市区町村)、ローンは金融機関に、それぞれ最新の内容をご確認ください。 制度は年度ごとに変わり、個別の適用可否は物件と工事の内容によって異なります。当社は不動産仲介会社であり、リフォーム工事の請負・税務相談は行っていません。




