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中古マンション売却

不動産売却の流れを6ステップで解説【2026年最新】

売却を考えはじめると、真っ先に気になるのが「で、どれくらいで売れるのか」です。査定を頼めば金額は出ますが、その先にどんな手続きが何か月続くのかは誰も教えてくれません。住み替えなら、今の家がいつ現金になるか分からないまま新居を探すことになります。

不動産売却の流れを6ステップで解説【2026年最新】
結論 — この記事の答え

不動産売却は①事前準備・相場確認 ②査定依頼 ③媒介契約と売り出し価格の決定 ④売却活動・内覧対応 ⑤購入申込みと売買契約 ⑥決済・引き渡しの6ステップ。売ると決めてから引き渡しまで、目安は3〜6か月です。この幅の正体は、専任媒介契約の有効期間が法律で3か月を超えられないこと。最初の契約期間のうちに買主が決まれば、前後の手続きを含めて3〜6か月——早く決まれば3か月台、期間を使い切れば6か月前後です。

この記事でわかること
  • 6ステップの全体像
  • 期間は3〜6か月
  • 住み替えの順番決め
読み終える頃には、自分の売却がだいたい何か月がかりになるか見通しが立ち、住み替えなら売りと買いのどちらを先に動かすかを自分の事情から判断できるようになります。
公開: 更新: 読了目安:12分
代表取締役 加川 将嗣
この記事の監修者
代表取締役 加川
宅地建物取引士|大阪市で中古住宅の売買仲介を担当

不動産売却の流れは6ステップ、査定から引き渡しまで3〜6か月

先に結論をお伝えします。不動産売却の流れは6ステップ、期間は売ると決めてから引き渡しまでおよそ3〜6か月が目安です。

不動産売却の6ステップ
  • ① 事前準備・相場確認 — 残債・書類・設備を洗い出し、近隣の相場をつかむ
  • ② 査定依頼 — 複数社に依頼し、金額より根拠を比べる
  • ③ 媒介契約と売り出し価格の決定 — 依頼先と契約形態を決め、売り出す金額を決める
  • ④ 売却活動・内覧対応 — 広告掲載と内覧。いちばん時間のかかる期間
  • ⑤ 購入申込みと売買契約 — 価格と引き渡し時期を交渉し、契約して手付金を受け取る
  • ⑥ 決済・引き渡し — 残代金を受け取り、ローンを完済して鍵を渡す
段階期間の目安
①② 事前準備と査定依頼2週間〜1か月程度
③④ 媒介契約と売却活動1か月半〜3か月程度
⑤⑥ 売買契約〜決済・引き渡し1〜2か月程度
合計3〜6か月程度

この「3〜6か月」は売ると決めてから先の期間です。売るかどうか迷っている時間や、相続の話し合いがまとまるまでの時間は含みません。また、売却期間そのものを集計した公的な統計はなく、実務でよく言われている目安の幅としてお読みください。次章のとおり、この幅には制度上の理由があります。

不動産売却の6ステップを順に並べた図。売却活動・内覧対応がいちばん時間のかかる期間

流れを知らないまま動き出すと、何が起きるか

いちばん多いのは、時間切れで値下げに追い込まれることです。売却にはたいてい「この時期までに」という区切りがあります。3〜6か月かかると知らずに動き出すと、残り1か月で買主が見つかっていない状況になり、そこからできることは実質的に価格を下げることだけになります。

もう一つは、書類が揃わずに手続きが止まることです。権利証が見つからない、共有名義の相手と連絡がつかない、相続登記が済んでいない——どれも解決に時間がかかりますが、売り出す前に気づけば売却活動と並行して片付けられます。契約直前の発覚だと、引き渡しの日程そのものが後ろにずれます。

流れを知る価値は、手続きを覚えることではなく、逆算して余裕を作ることにあります。

カレンダーに指を置き、ノートに予定を書き込もうとしている手元

なぜ「3〜6か月」なのか——期間を決めているのは専任媒介契約の3か月

この幅には制度上の理由があります。宅地建物取引業法は、専任媒介契約の有効期間について「三月を超えることができない。これより長い期間を定めたときは、その期間は、三月とする」と定めています(第34条の2第3項)。更新もできますが、こちらも「更新の時から三月を超えることができない」(同条第4項)。1社に任せる契約は、必ず3か月ごとに区切りが来るということです。

売却の時間感覚はこうなります。売却活動には3か月という一区切りがあり、その前に準備と査定で2週間〜1か月、後ろに契約から決済まで1〜2か月。最初の契約期間のうちに買主が決まれば、全体は3〜6か月に収まります——早く決まれば3か月台、期間を使い切れば6か月前後です。決まらないまま更新すれば、そこからさらに数か月が乗ります。この区切りが、価格と売り方を見直す最初のタイミングになります。

大きく積み上がった在庫から、少数だけが流れ出していく様子を示した概念図

差が出る理由①:売り出し価格が相場に沿っているか

いちばん効くのは価格で、しかも市場の数字で確かめられます。近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)が2026年7月23日に公表した季刊市況トレンドレポートによると、近畿圏の中古マンションは2026年4〜6月期の成約件数が4,967件、2026年6月末時点の在庫件数が21,113件。3か月で4,967件が成約する市場に約4.3倍の在庫が積まれている計算で、月あたりに直せば在庫が一巡するのに12か月半ほどかかります。

つまり「売り出せば3か月で売れる」わけではないということです。在庫には、相場より高い値付けのまま何か月も残っている物件が相当数含まれます。3〜6か月は、相場に沿った価格で売り出した場合の目安だとお考えください。

差が出る理由②:売り出したあとの動きが見えているか

売り出してからの数か月を「待つだけの時間」にすると、判断の材料がないまま契約期間が終わります。ここでも法律が助けになります。まず、媒介契約を結んだ会社は契約形態を問わず、購入の申込みがあったときは遅滞なく依頼者へ報告する義務を負います(同法第34条の2第8項)。加えて専任媒介契約なら、業務の処理状況を2週間に1回以上(専属専任媒介契約なら1週間に1回以上)報告する義務もあります(同条第9項)。報告を2回、3回と読み比べれば、「反響はあるが内覧に至らない(見せ方の問題)」「内覧は入るが決まらない(価格か室内の状態の問題)」の区別が付きます。

差が出る理由③:物件そのものの事情

築年数・駅からの距離・階数と向き・管理の状態でも時間は変わります。加えて権利関係——相続の名義変更が済んでいない、共有者が複数いる、残債が売却額を上回りそう——があると、買主が決まってからの手続きが延びます。価格と違って途中で変えられないので、ステップ①で先に洗い出す価値があります。

自宅のテーブルで書類を手に取り、内容を確かめている様子

ステップ①②:事前準備と査定依頼(目安2週間〜1か月)

① 事前準備——売り出す前に確認しておく3つ

ひとつ目は、住宅ローンの残債です。返済予定表か金融機関のWEBサービスで残高を確認します。売却代金でローンを完済して抵当権を抹消できないと、原則として引き渡しができません。残債が査定額を上回りそうな場合でも打つ手はありますが、それを知るのが契約直前では遅いのです。

ふたつ目は、書類の所在です。権利証(登記識別情報)、実印と印鑑登録の有無、固定資産税の納税通知書、マンションなら管理規約と総会資料。分譲時のパンフレットや間取り図、リフォームの履歴があれば販売資料の説得力が上がります。権利証が見つからなくても売却はできますが、別の手続きが要るため早めにお申し出ください。

みっつ目は、設備と不具合の洗い出しです。エアコンや照明など「置いていくもの・持っていくもの」を先に決めること。雨漏り・水漏れ・設備の故障といった不具合は、隠さずメモにしておくことです。

不具合の告知は契約時に必要です。伝えずに引き渡すと、あとから契約不適合責任を問われる可能性があります。先に開示するほうが、トラブルも値引き交渉も結果的に少なく済みます。

金額が高いだけの査定と根拠のある査定を左右で比べた図。見るべきは成約事例と補正の説明

② 査定依頼——金額の高さではなく、根拠を比べる

査定は複数社に依頼します。見るべきは金額そのものではなく、その金額をどう説明するかです。

判断材料として大阪市の水準を挙げておきます。前述の近畿レインズのレポートによると、2026年4〜6月期に大阪市で成約した中古マンションは1,356件、平均成約価格は4,523万円、㎡単価は74.30万円/㎡、平均専有面積は60.86㎡、平均築年数は25.75年。同じ大阪府内でも北部は㎡単価45.94万円、南部は27.54万円と大きく開きます。

査定書に近隣の成約事例が具体的に載っているか、ご自宅との違い(築年数・階数・向き・面積)をどう補正したかが書かれているか——ここを説明できる会社は、売り出しの価格戦略も説明できます。

査定額は「この金額で売れる保証」ではなく「この価格帯なら売れるだろうという見立て」です。他社より数百万円高い金額が出たときは、その根拠になった成約事例を必ず聞いてください。根拠のない高値は、売れない3か月を1回分消費するだけになります。

テーブルに広げた書類を示しながら説明を受けている相談の場面

ステップ③④:媒介契約と売却活動・内覧対応(目安1か月半〜3か月)

③ 媒介契約と売り出し価格の決定

依頼する会社が決まったら媒介契約を結びます。契約は3種類あり、会社側に課される義務の重さが違います

項目専属専任媒介専任媒介一般媒介
依頼できる会社1社のみ1社のみ複数社
自分で買主を見つける不可
レインズへの登録期限5日以内7日以内法律上の義務なし
業務処理状況の定期報告1週間に1回以上2週間に1回以上法律上の義務なし
契約の有効期間3か月以内3か月以内法律上の上限なし

レインズへの登録期限は宅地建物取引業法施行規則第15条の10が定めるもので、媒介契約日から専任媒介は7日、専属専任媒介は5日(いずれも休業日数は算入しません)。登録が済むと「登録を証する書面」が売主に引き渡されるため(同法第34条の2第6項・第50条の6)、自分の物件が市場に出たかを売主自身で確かめられます。なお表の報告義務は定期報告のことで、購入の申込みがあったときの報告は、契約形態を問わずすべての媒介契約に義務づけられています(同法第34条の2第8項)。

どの契約形態でも仲介手数料の上限は変わりません。専任系は動きが見えやすく、一般は間口が広い——物件と売り方で使い分けるものです。どれを選ぶべきかの判断基準は、業者選びと合わせて別の記事で詳しく扱います。

売り出し価格は、査定額と「いつまでに売りたいか」の両方から決めます。コツは値下げの余地を先に設計しておくこと。「最初の3か月で反響が◯件を下回ったら△万円下げる」と決めておけば、期限が迫ってから慌てて大きく下げずに済みます。

窓から光が差し込み、照明で明るく整えられた室内を単純化した図

④ 売却活動・内覧対応——いちばん時間のかかる期間

売り出しが始まると、広告やポータルサイトへの掲載、チラシなどの販売活動が動き出します。売主側の主な仕事は内覧の対応で、住みながらで問題ありません。

内覧で効くのは費用をかけない準備のほうです。水回りの掃除、換気、照明を明るくすること——この3つで印象はかなり変わります。反対に、売る前のリフォームは原則としておすすめしません。買主には自分好みに直したいという方が多く、かけた費用を売却価格に上乗せしにくいためです。迷ったら、工事を発注する前にご相談ください。

この期間の長さは読めません。1か月で決まることもあれば、3か月の契約期間を使い切ることもあります。先に触れた業務の処理状況の報告を使って、途中で軌道修正できる状態を保つことが大事になります。

引き渡しの場で、鍵の束が手から手へ渡されている手元

ステップ⑤⑥:売買契約から決済・引き渡しまで(目安1〜2か月)

⑤ 購入申込みから売買契約まで

購入希望者が現れると、まず購入申込みが入ります。交渉するのは価格だけではありません。引き渡しの時期、置いていく設備、住宅ローン特約の期限——住み替え中の売主には、価格と同じくらい引き渡し時期が重要です。

条件がまとまれば売買契約です。契約日には実印・本人確認書類・印紙などを持参し、契約書に署名捺印して手付金を受け取ります。権利証(登記識別情報)と印鑑証明書は主に決済日の登記手続きで使うもので、取得の時期は担当者にご確認ください。この日から、売主の側にも解除の制限がかかります。

手付を受け取ったあとの解除については、民法第557条第1項が「買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない」と定めています。売主から解除する場合は受け取った手付金の倍額が必要で、相手が履行に着手した後はこの方法も使えません。「とりあえず契約して、あとで考える」ができるのはここまでです。

⑥ 決済・引き渡し当日

契約から1〜2か月後、決済・引き渡しを迎えます。買主の住宅ローン審査と融資の実行を待つため、この期間が必要になります。当日は多くの場合、買主の金融機関に売主・買主・双方の不動産会社・司法書士が集まり、次のことが同時に進みます。

  • 買主から残代金を受け取る
  • 売主のローンを一括返済し、抵当権の抹消を司法書士に依頼する
  • 固定資産税・管理費・修繕積立金を日割りで精算する
  • 鍵と関係書類を引き渡す
  • 所有権移転登記を司法書士が法務局へ申請する

所要時間は1〜2時間程度。ここまで来れば売却は完了ですが、手続きはもう一つ残っています

売却で利益(譲渡所得)が出た場合は確定申告が必要です。国税庁によれば、所得税の申告と納税の期間は原則としてその年の翌年2月16日から3月15日まで、提出先は所轄税務署——つまり引き渡した年の翌年の申告になります。なお、購入当時の価格が分からず取得費が出せない場合の調べ方は、不動産売却の取得費不明を解決する3つの調べ方にまとめています。

2つの家が1本の帯でつながれ、途中の一点で色が切り替わっている概念図

住み替えの場合、売りと買いのタイミングをどう合わせるか

住み替えでは、6ステップに「新居を買う」という別の時間軸が重なります。順番の決め方は2つです。

売り先行と買い先行、それぞれの性格

売り先行は今の家を売ってから新居を買う進め方です。手取り額が確定してから新居の予算を組めるので資金計画が崩れません。代わりに、引き渡しまでに新居が決まらないと仮住まいと引っ越し2回が発生します。

買い先行は新居を決めてから今の家を売る進め方。仮住まいが要らず、じっくり物件を選べるのが利点ですが、今の家がいつ売れるか分からないまま新居の支払いが始まる可能性があります。売り急いで値下げに追い込まれやすいのはこちらです。

住み替えの進め方の目安
  • 資金に余裕がなく、手取りを確定させたい → 売り先行が基本
  • 住みたい物件がすでに決まっている → 買い先行を検討する余地がある
  • どちらも決めきれない → まず査定と残債の確認を済ませ、手取りの見込みを数字にする

見通しが立つと、選べるようになる

両者の間には、引き渡し時期を交渉して調整するつなぎの資金を使うといった中間の選択肢もあります。どれを選べるかは、残債・手取りの見込み・引き渡し時期の希望という個別の条件次第です。

ここでも効いてくるのが全体で3〜6か月という見通しです。3月に引っ越したいなら遅くとも前年の秋には査定を受けておく——この逆算ができれば、売り先行でも仮住まいの期間を、買い先行でも「売れないまま」の不安期間を短くできます。

つなぎ融資や住み替えローンの可否・条件は金融機関ごとに違います。金額や金利の見込みは、残債と査定額の差を出したうえで金融機関にご確認ください。

よくある質問

Q売却の相談は、いつから始めればいいですか?
A

売ると決める前で構いません。むしろ「まだ迷っている」段階のほうが選択肢が残ります。全体で3〜6か月かかることを踏まえると、希望する引き渡し時期の半年前には相場と残債を確認しておきたいところです。

Q内覧は何件くらい入れば売れるものですか?
A

件数の公的な統計はなく、物件や価格帯で大きく変わるため「◯件で売れる」とは言えません。平均値を探すより、専任系の業務の処理状況の報告(宅地建物取引業法第34条の2第9項)を数回ぶん並べて、反響数と内覧数の推移を見るほうが確かな判断材料になります。反響はあるのに内覧に至らないのか、内覧は入るのに決まらないのかで、次に打つ手が変わります。

Q途中でやめたり、契約後にキャンセルしたりできますか?
A

買主が決まる前なら、媒介契約を解除して売却を取りやめることは可能です(条件は契約書の解除条項によります)。ただし売買契約を結んだあとは話が変わります(民法第557条第1項。詳しくはステップ⑤のとおり)。契約書に署名する前に、引き渡し時期まで含めて納得しておくことが大切です。

Q確定申告はいつ必要になりますか?
A

売却で譲渡所得が出た場合、引き渡した年の翌年2月16日から3月15日までに所轄税務署へ申告します(国税庁「No.2020 確定申告」)。利益が出ていなくても、特例の適用を受けるために申告が必要なケースがあります。年内に引き渡すか年明けにするかで申告の年が変わるため、年末年始をまたぐ売却では引き渡し日にご注意ください。

まとめ——流れを知って、余裕のあるスケジュールを

この記事の要点
  • 流れは6ステップ — 事前準備・相場確認/査定依頼/媒介契約と価格決定/売却活動・内覧対応/購入申込みと売買契約/決済・引き渡し
  • 期間の目安は3〜6か月 — 専任媒介契約の有効期間の上限が3か月(宅建業法第34条の2第3項)で、最初の契約期間内に早く決まれば3か月台、期間を使い切れば6か月前後
  • 早く動くほど選択肢が増える — 残債・書類・不具合の確認は売ると決める前でもできる
  • 住み替えは順番から決める — 手取りを確定させたいなら売り先行、物件が決まっているなら買い先行

売却は決めることの多い数か月ですが、一つひとつは順番に来ます。全体の地図と、いま自分がどこにいるかが分かっていれば、慌てて価格を下げる場面はかなり減らせます。大阪市で売却をご検討の段階でしたら、相場と残債の確認からご一緒できます。

この記事は不動産売却の一般的な流れと期間の目安をまとめたものです。期間は物件・価格設定・市況によって前後します。税務の取り扱いは所轄税務署または税理士、登記や相続の手続きは司法書士、住宅ローンの残債と住み替え資金は金融機関にご確認ください。

代表取締役 加川 将嗣
この記事の監修者
代表取締役 加川

株式会社ファンズハウス代表。大阪市を中心に中古マンション・中古戸建ての売買仲介を行っています。専門用語をできるだけ使わず、購入前に知っておきたい情報を実務目線で発信しています。