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中古マンション売却

不動産売却の必要書類、段階別チェックリスト【2026年版】

家を売ろうと決めて最初に調べるのが「何を用意すればいいのか」です。ところが検索して出てくるのは10種類以上の書類がずらりと並んだ一覧で、権利証がどこにあるか思い出せない、実印は作ったことがない——と、かえって不安になってしまう。ご相談の場でも「うちは書類がそろわないかもしれません」という声を、査定の前によくうかがいます。

不動産売却の必要書類、段階別チェックリスト【2026年版】
結論 — この記事の答え

必要書類は10種類ほどありますが、全部を今すぐそろえる必要はありません。使う場面が段階ごとに決まっていて、実印と印鑑証明書は売買契約の直前で間に合います。いま確認していただきたいのは①本人確認書類 ②権利証(登記識別情報)が手元にあるか ③固定資産税の納税通知書の3点だけ。しかも権利証は紛失していても売却できます(司法書士の本人確認情報や、法務局からの事前通知という代わりの手続きがあります)。

この記事でわかること
  • 今すぐ確認するのは3点だけ
  • 実印と印鑑証明は契約直前で可
  • 権利証を失くしても売却できる
読み終える頃には、査定から引き渡しまでの各段階で何をいつまでに用意すればよいかを一覧で自己判定でき、手元に無い書類があっても「いつ・誰に頼めば間に合うか」まで分かるようになります。
公開: 更新: 読了目安:12分
代表取締役 加川 将嗣
この記事の監修者
代表取締役 加川
宅地建物取引士|大阪市で中古住宅の売買仲介を担当

不動産売却の必要書類は「段階ごと」に変わる——今すぐ確認するのは3点

先に結論をお伝えします。不動産の売却に使う書類は全部で10種類ほどありますが、同時に必要になるわけではありません。それぞれ使う場面が決まっていて、その日までに間に合えば足ります。査定を頼む段階で実印を用意していなくても、まったく問題ありません。

いま確認していただきたいのは、次の3点だけです。①本人確認書類 ②権利証(登記識別情報)が手元にあるか ③固定資産税の納税通知書。このうち②は、無いと分かってから代わりの手続きに時間がかかるので、早めに引き出しを開けてみてください。

売却の必要書類を査定〜媒介契約・売買契約日・決済日の3段階に分けて並べた図

段階別 必要書類・持ち物 一覧

段階必要なものいつまでに
①査定〜媒介契約本人確認書類/認印/固定資産税の納税通知書/購入時の売買契約書・パンフレット・間取り図/リフォームや修繕の履歴/(マンション)管理規約・使用細則・総会資料売り出しまで
②売買契約日実印/印鑑証明書/本人確認書類/収入印紙/権利証(登記識別情報)/付帯設備表・物件状況報告書(事前に記入したもの)/仲介手数料(お支払いの時期は媒介契約の定めによります)契約日の当日
③決済・引き渡し日実印/印鑑証明書/本人確認書類/権利証/振込先口座の分かるもの/鍵一式/設備の取扱説明書・保証書/管理規約などの原本/(登記の住所と現住所が違う場合)住民票、住所が2回以上変わっているときは戸籍の附票/(共有名義の場合)共有者全員分の実印・印鑑証明書・本人確認書類決済日の当日
④住宅ローンが残っている場合(③に追加)返済予定表または残高証明書/金融機関への一括返済の申し出決済の1か月ほど前

今すぐ確認する3点

まず引き出しを開けて確認するもの
  • 本人確認書類 — 運転免許証やマイナンバーカードなど。有効期限が切れていないかも見ておく
  • 権利証(登記識別情報) — 「ある/無い」が分かればこの時点では十分。無くても売却はできる
  • 固定資産税の納税通知書 — 大阪市では毎年4月上旬に市税事務所から届きます。最新年度のものを1部
木の引き出しを開けて、書類ファイルを取り出している日本人の手元

権利証だけは、無いと分かった時点で不動産会社に伝えてください。決済日に司法書士が本人確認情報を作る段取りが必要になり、当日いきなり分かると引き渡しが止まります。逆に、早めに伝えておけば売却そのものには何の支障もありません。

なぜ「段階ごと」に必要なものが決まっているのか

書類の使い道が、大きく2つに分かれているからです。ひとつは買主に物件を説明するための資料、もうひとつは名義を書き換える登記の手続きに使う書類です。前者は売り出す前に、後者は契約と決済という山場に合わせて必要になります。この2つを分けて考えると、一覧の見え方が変わります。

売却の書類が、買主に説明するための資料と登記に使う書類の2つに分かれることを示した図

実印と印鑑証明書が契約直前でよい理由

実印は、名義を書き換える登記のために法務局へ出す書類(司法書士への委任状など)に押します。そして、その印影が本人のものであることを証明するのが印鑑証明書です。不動産登記令18条3項は、この委任状に添える印鑑証明書は「作成後三月以内のもの」でなければならないと定めています。登記の申請書そのものに添える分も、同じく3か月以内です(同令16条3項)。

つまり、早く取りすぎると期限切れになります。売り出す前に取った印鑑証明書は、買主が決まって決済を迎える頃には使えなくなっている可能性が高い。だからこそ「契約直前でいい」のではなく、契約直前でなければ困る書類なのです。

権利証は「場所を確認する」だけでよい理由

権利証は、いま住んでいる家を買ったときに法務局から交付されたものです。平成16年の不動産登記法の改正により、それまでの「登記済証」という書面に代えて、登記識別情報(12けたの英数字の組合せ)の制度が導入されました。おおむね改正後に買った家なら「登記識別情報通知」という書面が、それ以前から持っている家なら登記済証が手元にあるはずです。

これは売却時に新しく取り直すものではなく、すでに手元にあるはずのもの。だから今できるのは「探すこと」だけで、あれば決済日まで保管しておけば済みます。無ければ代わりの手続きに入るので、早く探すこと自体に意味があります

査定から媒介契約まで——売り出す前にそろえるもの

本人確認書類と認印

査定を依頼する段階では、必ずしも書類は要りません。使うのは媒介契約(不動産会社に売却を任せる契約)を結ぶときで、本人確認書類と認印があれば足ります。実印である必要はありません。

不動産会社が本人確認を求めるのは、社内規則だけの話ではありません。宅地建物取引業者は犯罪収益移転防止法の「特定事業者」に位置づけられており(同法2条2項42号)、宅地・建物の売買契約を締結するときは、氏名・住居・生年月日、取引を行う目的、職業を確認しなければならないと定められています(同法4条1項)。契約の場面では必ず行う手続きなので、その前の媒介契約の段階で合わせて確認させていただくことが多いのは、このためです。

テーブル越しに、身分証のようなカードを1枚差し出している日本人の手元

マンションは管理規約・総会資料もそろえる

マンションを売る場合は、書類が数点増えます。管理規約、使用細則、直近の総会資料、修繕積立金と管理費の金額が分かるもの、大規模修繕の実施履歴などです。

これも理由があります。宅地建物取引業法35条1項6号と同法施行規則16条の2は、区分所有建物の売買では、専有部分の利用制限に関する規約の定め、修繕積立金の規約と既に積み立てられている額、管理費の額、維持修繕の実施状況などを買主に説明するよう定めています。その説明のもとになるのが、いま手元にある管理規約や総会資料です。

見当たらない場合でも、管理会社に依頼すれば有償で再発行や証明書の取得ができます。当社が売却をお預かりする場合は、この手配は当社で行いますので、まずは「見つからない」とお伝えいただければ十分です。

購入時の資料は「売るための材料」になる

分譲時のパンフレット、間取り図、購入時の売買契約書、リフォームや設備交換の履歴。これらは登記に使う書類ではありませんが、販売図面や広告をつくるときの材料になります。間取り図が手元にあれば作図の手間が減り、給湯器やエアコンをいつ替えたかが分かれば、買主に伝えられる強みが1つ増えます。

購入時の売買契約書には、もう1つ役割があります。売却後に譲渡所得を計算するとき、買った値段(取得費)を証明する書類になるのです。これが無いと利益が実際より大きく計算され、税金が増えることがあります。見当たらない場合の調べ方は不動産売却の取得費不明を解決する3つの調べ方にまとめました。

箱から取り出された数枚の紙が、右側の枠の中に整然と収まっていく図

売買契約日に持っていくもの

買主が決まり、価格と引き渡し時期の交渉がまとまると売買契約です。ここで初めて実印が登場します。

実印・印鑑証明書・収入印紙

実印を押し、作成後3か月以内の印鑑証明書を添えます。本人確認書類も持参してください。忘れやすいのが収入印紙です。売買契約書は印紙税の課税文書で、契約書に貼って消印します。

売買契約書の記載金額印紙税額(軽減後)
1,000万円超 5,000万円以下1万円
5,000万円超 1億円以下3万円

※上の表は主な金額帯の抜粋です。ほかの金額帯は国税庁タックスアンサー No.7108 でご確認ください。

これは平成26年4月1日から令和9年(2027年)3月31日までに作成される契約書に適用される軽減措置です(国税庁 タックスアンサー No.7108)。負担の仕方は契約書を何通作るかで変わり、売主・買主が1通ずつ保管するなら、それぞれが自分の分を負担します。原本1通とコピーで済ませる形もあり、その場合の負担は契約で決めます。印紙は郵便局などで購入できますが、不動産会社が用意して立て替えることもあります。また、契約書を紙ではなく電子データでやり取りする形の取引もあり、その場合は印紙の取扱いが変わります。どちらの形で契約するか、印紙は誰が用意するかを、契約日の前に確認しておくと安心です。

朱肉を使って書面に印鑑を押している日本人の手元のクローズアップ

付帯設備表と物件状況報告書は売主が書く

契約日には、売主自身が記入して買主に渡す書類が2点あります。付帯設備表物件状況報告書(告知書)です。

付帯設備表には、エアコン・照明・給湯器・食洗機などを「置いていく/持っていく」で1つずつ書き分け、置いていくものについては故障や不具合の有無も記載します。物件状況報告書には、雨漏り・水漏れ・給排水管の不具合・過去の修繕歴など、住んでいたご本人しか分からない事実を書きます。

書きにくいのは不具合のほうですが、隠さず書いたほうが結局は安全です。引き渡し後に判明すると、契約不適合責任として修補や損害賠償を求められる可能性があります。先に書いて伝えてあれば、買主も了解したうえで購入することになり、後のもめごとを避けられます。記入は契約日にその場で書くのではなく、事前に時間を取って進めます。

売主が記入する付帯設備表と物件状況報告書の2つの書類に何を書くかを左右に並べた図

権利証と固定資産税の納税通知書

権利証は契約日に原本を見せて確認するだけで、預けるのは決済日です。固定資産税の納税通知書は、清算金の計算に使います。

固定資産税は1月1日現在の所有者に、その年度の1年分がまとめて課される税金です(地方税法343条・359条)。年の途中で売っても、納税義務者は売主のまま変わりません。そこで、引き渡し日以降の分を買主が売主に支払って調整するのが取引上の慣行になっています。これは法律で決まった義務ではなく当事者間の取り決めなので、起算日を1月1日とするか4月1日とするかも含め、契約書で確認してください。

決済・引き渡し日に持っていくもの

決済日は、残代金の受領・登記の申請・鍵の引き渡しを同じ場に集めて行う日です。ここで書類の大半を使います。

実印、作成後3か月以内の印鑑証明書、本人確認書類、権利証、振込先口座の分かるもの、鍵一式、そしてマンションなら管理規約などの原本。印鑑証明書は、決済日の時点で作成後3か月以内である必要があります。契約時に用意したものが決済日には3か月を超えてしまう場合は、決済日に合わせて取り直してください。

登記簿上の住所と現住所が違う場合は住民票も必要です(住所が2回以上変わっているときは、住所のつながりが分かる戸籍の附票になります)。共有名義の場合は、共有者全員分の実印・印鑑証明書・本人確認書類が必要です。決済日に来られない方がいるときは、事前に司法書士へお伝えください。

買主に引き渡すものも忘れずに用意してください。鍵は本数をそろえて全部渡します(玄関だけでなく、勝手口・郵便受け・宅配ボックス・駐輪場の鍵も含みます)。給湯器やエアコンの取扱説明書と保証書、リフォームの保証書、マンションなら管理規約や総会資料の原本も一緒です。合鍵を作った覚えがある方は、手元に何本あるかを事前に数えておいてください。

玄関先で、鍵の束を手渡している2人の日本人の手元

住宅ローンが残っている場合

売却代金でローンを完済し、抵当権を抹消してから買主に引き渡します。追加で必要になるのは、返済予定表または残高証明書と、金融機関への一括返済の申し出です。

申し出には手続き期間があり、金融機関によっては1か月ほどかかります。決済日が決まったら早めに動いてください。抵当権抹消登記そのものに使う書類は、金融機関が決済日に用意し、司法書士が名義変更と同時に手配するのが一般的な流れです。司法書士に登記を依頼する取引であれば、売主が自分で法務局へ行く必要はありません。

ローン残高が売却額を上回りそうな場合は、書類より先に残債と査定額の差額を確認してください。不足分の手当てが決まらないと決済日を組めません。当社では残高と相場の突き合わせからご相談を承っています。

権利証(登記識別情報)が見つからないときの対処法

売却のご相談の場で、書類まわりのご質問としてよくうかがうのが、これです。結論から言うと、再発行はされませんが、売却はできます

登記識別情報は、登記が完了したときに一度だけ通知されるもので、紛失しても再度の通知(再発行)はされません。ただし法務局は、紛失したとしても「登記記録上の権利には何らの影響もありません」と説明しています。所有者であることが失われるわけではありません。

代わりの手続きは3つあります。

権利証が無いときの3つの方法
  • 司法書士などの資格者代理人による本人確認情報 — 決済に立ち会う司法書士が本人であることを確認した書類を作成して提出する(不動産登記法23条4項1号)。作成手数料がかかる場合があります
  • 公証人の認証 — 公証人に同様の書類を作ってもらう方法(同項2号)
  • 事前通知 — 法務局から売主あてに本人限定受取郵便で通知が届きます。法務局がその通知を発送した日から2週間以内に「間違いない」と申し出ることで本人確認とする方法(不動産登記法23条1項・不動産登記規則70条8項)。手数料はかかりません

実際の売買では、決済日に登記を申請し、そのまま完了まで進める必要があるため、司法書士による本人確認情報を使うのが実務では一般的です。事前通知の2週間は法務局が通知を発送した日から数えるので、郵便が往復する日数もその中に含まれます。決済日が動かせない取引には向きません。

紛失した権利証を悪用されないか心配な場合は、登記識別情報の失効の申出(不動産登記規則65条)や、不正登記防止申出(申出から3か月間有効)という制度が用意されています。差し迫った不安があるときは、物件を管轄する法務局にご相談ください。

権利証が無いときの代わりの手続き3つを並べた図。司法書士の本人確認情報・公証人の認証・事前通知

よくある質問

Q実印を持っていません。いつまでに作ればいいですか?
A

売買契約日までに印鑑登録を済ませてください。大阪市の場合、住民登録がある15歳以上の方が申請できます。ご本人が区役所の窓口で申請し、運転免許証やマイナンバーカードなど官公署が発行する顔写真付きの本人確認書類を提示した場合は、その日のうちに印鑑登録証を受け取れます(代理人が申請する場合などは、後日届く照会書のやり取りが必要になります)。登録できる印鑑は、印影が一辺8ミリメートルの正方形に収まらず、25ミリメートルの正方形に収まるものとされています。ゴム印やスタンプ印、変形しやすい材質のものは登録できません。なお、契約で使うのは実印そのものと印鑑証明書(正式には印鑑登録証明書)です。印鑑登録証は、その印鑑証明書を請求するためのカードなので、登録を済ませたうえで、証明書は契約日に近いタイミングで取ってください。

Q権利証と登記識別情報は同じものですか?
A

役割は同じですが、別のものです。平成16年の不動産登記法の改正前に交付された「登記済証」という書面が、通称「権利証」と呼ばれてきました。改正後は、これに代わるものとして12けたの英数字による登記識別情報の制度が導入されています。どちらが手元にあっても売却の手続きは同じです。

Q相続した家を売る場合、追加で必要な書類はありますか?
A

あります。まず相続登記で名義をご自身に移さないと売却できません。相続登記は不動産登記法76条の2により、取得を知った日から3年以内の申請が義務づけられています。手続きには戸籍謄本や遺産分割協議書などが必要で、要件が細かいため、改めて別の記事で扱います。

Qマンションと戸建で必要書類は違いますか?
A

基本の書類は同じで、マンションだけ管理規約・使用細則・総会資料などが加わります。戸建の場合は、代わりに境界確認書や測量図、建築確認済証・検査済証を求められることがあります。土地の境界がはっきりしない場合は測量に数か月かかることもあるので、戸建は早めにご相談ください。

まとめ——「今すぐ確認する3点」から始めれば準備は怖くない

必要書類の一覧を最初から全部そろえようとすると、それだけで疲れてしまいます。段階ごとに区切れば、いま動くべきことは多くありません。

この記事の要点
  • 今すぐ確認するのは本人確認書類・権利証の有無・固定資産税の納税通知書の3点だけ
  • 実印と印鑑証明書は契約直前でよい。印鑑証明書は作成後3か月以内という決まりがあり、早く取りすぎると使えなくなる
  • 権利証は紛失していても売却できる。司法書士による本人確認情報など代わりの手続きがあるので、無いと分かったら早めに伝える
  • マンションは管理規約・総会資料が、戸建は境界確認書や測量図が追加で必要になる

書類は、そろえる順番さえ分かっていれば怖いものではありません。売却全体の段取りと持ち物をまとめたチェックリストもご用意していますので、手元に置きながら進めていただければと思います。

この記事は制度と実務の一般的な説明です。ご自身の物件で必要になる書類や、権利証が無い場合の具体的な手続きについては、物件を管轄する法務局または司法書士にご確認ください。

代表取締役 加川 将嗣
この記事の監修者
代表取締役 加川

株式会社ファンズハウス代表。大阪市を中心に中古マンション・中古戸建ての売買仲介を行っています。専門用語をできるだけ使わず、購入前に知っておきたい情報を実務目線で発信しています。